あをぐみがエディトリアルデザインを担当した
『南方熊楠 森羅万象に挑んだ巨人』(別冊太陽 日本のこころ 192)平凡社刊
が発売になりました。
本書のコピーにもあるとおり、
南方熊楠は「巨人」という表現がピッタリな人物。
100年も昔「エコロギー(エコロジー)」という言葉を、
日本で最初に使った……と紹介されることは多いのですが、
じゃあ何をした人なのかといった実態は、
あまり知られていないような印象を受けます。
例えば、僕ならデザイナー、Öなら編集者、といったように
肩書きをつけることでその人を説明できる部分は多いはず。
でも熊楠の場合は、守備範囲の「広さ」と「深さ」がケタ違いなので、
肩書きがつけづらく、結果、どんな人物なのか説明しづらい。
そのことが壁となってしまい、あまり知られていないのかもなあと思います。
さかのぼれば、僕自身が熊楠を知ったのは、高校生ぐらいの頃だったか……。
サブカル系の雑誌に、
「町田町蔵の主演で南方熊楠を映画化する」という小さな記事を発見したのが、
その名前を覚えたきっかけだったと思います。
おそらく主演が『メシ喰うな!』の町蔵さんじゃなかったらスルーしてたし、
今も記憶に残っていないと思う。
(余談ですが、町田町蔵のことを作家「町田康」だと言われると、
いまだにピンとこない)
どんな映画になるか楽しみにしていたのに、
たぶん同じ雑誌だったと思うけど、
数年後に撮影中止の記事をみつけて非常にがっかりしたことも覚えてます。
記憶の彼方に消えていたこの映画とは何の関係もなかったけど、
今ごろになって熊楠の本にかかわれたことに、
なんだか奇妙な巡り合わせを感じました。
とにかく半端なくエネルギッシュな南方熊楠。
ここでは語りきれないので、ぜひ書店にて!(Ä)