2024-07-08

別冊太陽 新版 武井武雄の本

 武井武雄ファンのみなさま、そして前号が手に入れられていなかった方にも朗報です。

あをぐみがエディトリアルデザインを担当した『新版 武井武雄の本 幻想世界のマルチアーティスト』(別冊太陽 日本のこころ 317/平凡社刊)が、内容も装いも新たな“新版”として発売中です。


“新版じゃないほう”をブログで紹介した時から、もう10年も経っている! ……光陰の速さに衝撃を受けました。

過去に担当した別冊太陽をリニューアルするのは、実に初めての経験でした。

自分でも、“新版じゃないほう”のデザインを気に入っていたこともあり、どこまで手を加えるかはなかなか悩ましい判断でもありました。

できるだけ活かしながら、細かなところをアップデートしておりますので、見比べていただけるとうれしいです。

それにしても、武井武雄作品にはいつ見ても新たな発見がある! と感服しています。

デザインを進めるなかで、推しの作品がさらに増えたり、前回気づかなかった魅力にも出合えました。

そうそう、“新版じゃないほう”の出版は生誕120周年を記念してのことだったので、そこから10年経ったということは、武井武雄が生誕130周年を迎えた、ということでもあるわけです。

というわけで現在、東京の目黒区美術館で「生誕130年 武井武雄展」が開催中。

別冊太陽で紹介されている作品も多数展示されているので、本と合わせてお楽しみいただけます。

僕もひと足先に見てきましたが、これだけの数の作品を一度に観られることはなかなかないので大満足。岡谷市のイルフ童画館を訪れたことがある人でも大満足できるのではないかと、確信しています。(ä)

会期は8/25まで。

2024-04-05

『ならべかえ -ましかくの へんしん-』(かがくのとも 2024年5月号)

あをぐみがデザインおよび「え」を担当した『ならべかえ -ましかくの へんしん-』(かがくのとも 2024年5月号 福音館書店)が発売されました。



著者は数学者の瀬山士郎さん。そのお名前と並んで、表紙に「絵」の担当者として自分(あをぐみ ä)の名前が掲載されたのは、とても光栄です。

タイムマシーンで過去に行って、こどもの自分に手渡してあげたい。「未来のおまえがこれをつくるぞ!」って。

仕事をしているとときどき、憧れていた人に出会えたり共に仕事ができたりという嬉しいことが起こりますが、今回もそれと同様。これまでにない特別な仕事になりました。


この本に出てくる要素はかなりシンプルなので、簡単にデザインが完成したように見えますが、実は逆。ガラスを磨いて何も見えないくらい透明にするのと同じように、細部に至るまでデザインを研ぎ澄ませていくのって、なかなかのエネルギーを必要とするのです。

ネタバラししてしまうとつまらなくなるので多くは語りませんが、印刷にもひと工夫してあり、その効果もうまく出せていると思います。


無意識的なことも、また、意識的に狙ったりすることもありますが、「しかく」を切り「ならべかえ」て形を変えていく行為は、ロゴをデザインする際にもよくやるのです。

なので僕自身としては、この絵本を通して、デザインという行為の原点や自分の思考パターン、そして手癖みたいなことを再確認する感じで、とても興味深く向き合えました。


『ならべかえ -ましかくの へんしん-』を読み(聞かせ)ながら、せっかくなのでいっしょに折り紙を切ってならべかえて、手の楽しみも味わってください。(ä)

2024-03-17

消えゆく建築物。最後の祝祭

 松本城址にあるかつての博物館の建物が、もうすぐ取り壊し。別れを惜しみ、その一生を寿ぐように、いま「マツモト建築芸術祭」が行われています。

特に松本市にお住まいの方には、ぜひ見ていただきたい。

あをぐみöが「カーサブルータスウェブ」にリポート記事を書きましたので、ご参考までに。


会期は3月24日まで。(ö)

2024-03-02

「ライブラリレーまつもと」おわりました

中央図書館でのワークショップとトークイベントにご参加いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。

あいにくの天気でしたが、多くの方にお集まりいただき、そして楽しんでいただけて、とてもうれしく思っております。


当日の感想なども、今後のあをぐみブログでお伝えしていきたいと思いますが、まずは大事なありがとうをお伝えしたく、この場をお借りしました。


ワークショップでみなさんにデザインしていただいた文字のフォントは、ただいま作製中。

まだまだ時間がかかってしまいますが、完成したら図書館からご案内が届きます。楽しみにお待ちください。


午後のトークイベントのときに「勇気をもつ」という話しをしましたが、アンケートのコメントを拝読しながら、勇気づけられてるのはいつだってわれわれの方なんだよなあ……と、しみじみしています。(ä)






2024-01-29

「ライブラリレーまつもと」のお知らせ

来る2月23日、あをぐみäが松本市中央図書館でワークショップとトークイベントを行うことになりました!


午前の部は、主に中高生を対象とした「フォントをつくろう」ワークショップ。
みんなでアルファベットをデザインし、ひと揃いのフォントをつくります。

午後の部は、デザインについてのおはなし会。
図書館の蔵書からあをぐみがデザインした本をとりあげつつ、タイポグラフィやロゴなどについてお話します。お悩み相談にものるかも。

いずれも「デザインをテーマにお遊びやおしゃべりしましょう!」といった趣向なので、ラク〜にご参加いただけるとうれしいです。
事前申し込みなので、こちらからお申し込みください。
では図書館でお会いしましょう。(äwö)

2024-01-09

特別展「北斎サムライ画伝」@すみだ北斎美術館のPR

むかしむかし葛飾北斎が活動していた現在の東京都墨田区界隈。

その両国駅に近い「すみだ北斎美術館」で、2024年2月25日まで特別展「北斎サムライ画伝」が開催されています。


展覧会では、刀を持ってポーズを決める武士や、勇ましく戦う様子が描かれた合戦画など、誰もが思い描くサムライイメージの作品も多々。

ポスターやフライヤーなどのメインビジュアルも、そんな感じでカッコよく決まっています。


そんななか、あをぐみがお手伝いさせていただいたPR用のグッズは、ちょこっとズラした視点。

主には、海外から訪れる観光客に向けたPRツールとして制作したもので、これこれ、いわゆるラゲージタグですね。


なぜラゲージタグなのか。

しかも、勇壮なサムライと真逆の、のほほんとしたビジュアルイメージ(参勤交代の風景を描いた北斎作品「冨嶽三十六景 従千住花街眺望ノ不二」を使っています)・・・。


その理由は、果敢に戦うだけがサムライの仕事ではなく、そこにはフツーの日常やルーティーン的なお仕事があり、人生がある。そんなことも感じてもらえればいいな、という館側の隠されたメッセージでもあるのです。


というわけでこの「旅するサムライラゲージタグ」、北斎の出展作品をあしらいながら、航空会社とかで配られるラゲージタグの要素を組み入れるなど、ちょっとパロディなデザインにしました。参勤交代の侍たちの荷物にもついていたらいいなーとw。


タグは本展の割引券にもなっていて一石二鳥。同美術館近隣のホテルで、訪日客の方へお配りしているとのことなので、ぜひ活用していただきたいところ。

日本にお住まいのかたも、北斎作品とサムライを楽しみに、展覧会を訪れていただければさいわいです。(äwö)

2024-01-06

フライヤー@三の丸エリアプラットフォーム

前回前々回のブログのつづき。


現在、松本市・三の丸エリアにある10にわたる界隈の活動をサポートしている、三の丸エリアプラットフォーム(以下、三の丸AP)。あをぐみでは、それら界隈ごとに行われる実証実験の、告知フライヤー・デザインもサポートしています。


どの界隈も独自の性格をもっているので、特色を活かしつつ「三の丸エリア」という関係性(つながり)も伝える必要がありました。


そこで、前回ブログでもお伝えした「つなげられる三の丸APパンフレット」のアイデアを下敷きに、ロゴの一部である「○」をフライヤーの四隅に配置。それによって、別界隈のフライヤー同士もつなげられるようにデザインしました。

こんな感じです。


これなら同時期に開催される実証実験のイベントであれば、並べて告知して関連性を可視化するといった効果を生みだすこともできます。

さらに、イベントが終わっても、アーカイブされるたびにつながりが積み上がって、「松本城三の丸エリアビジョン」の大きなメインビジュアルに育てられます。


フライヤーは、大まかにサイズや仕様、フォーマットなどは決めましたが、厳密に限定しませんでした。

そのことにより、完璧にひとつにつながるのではなくパッチワーク状になっていく。そのことが「三の丸エリア」界隈の特徴や個性を、より確かに伝えられるとも思っています。


ちなみに先ほどお見せしたつなぎ方は、界隈のフライヤーを地図上の位置関係に並べたもの。三の丸APのフライヤーがそれを縁の下で支えてるようなイメージを想起させています。並べかえによって別のイメージも表現できそうです。


三の丸APの活動も、シーズン1(2023年)のおわりが近づいており、シーズン2(2024)がはじまろうとしています。

「松本城三の丸エリアビジョン」が、これからどのような展開をみせるのか、あをぐみがそこにどう関わっていけるのか、とーっても楽しみです。(äwö)