編集部からの「すんごく怖い本にしたい」とのリクエストもあり、表紙もご覧のとおりインパクト抜群に仕上がってます。ひゃー。
デザインを進めるうち、すぐれた幽霊画は、見た目の怖さや奇抜さなどの話題性にとどまらず、その奥の方に渦巻くいろいろな感情と表裏一体だからこそ、後世に残っているのかも……と思いいたりました。
「悲(哀)しさ」という言葉に、かつては「愛」という漢字が当てられていたように、
誰かを強く想う気持ちが、「かなし」さと「いとし」さの狭間でゆらいでいるように感じます。
怖いものがとても美しく見えたり、残酷なもののなかに祈りがみえてきたり……。
長い年月に積みあげられた想いや祈りに敬意を払いながら、印刷の濃度差を利用して、眼を凝らすと見えてくるようなちょっとした仕掛けも施しました。
読み応え・見応えのある一冊になったと思います。
お盆に幽霊画をながめながら、愛しいものに想いをはせてみませんか。(ä)