2020-11-28

石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか@東京都現代美術館

今までどうして開催されなかったのかなあと思ってきたほど、待望の展覧会でした。書籍や作品集もいいけど、この人の世界観は大きな空間で体感したかったので早速GO! 

石岡さんといえば、真っ先に思い浮かぶのがターセム・シン監督の映画です、個人的には。数作品あるけど、やはり『落下の王国』(これはÖが愛するベストムービー)。石岡作品がシン監督の世界観をより強固にしていて、ホントため息もの。展覧会では壁一面に映像が投影されていて、迫力満点でした。プロダクションの倒産で作品が見られないのが心底悔しいわ。

とはいえ映画衣装は石岡作品のほんの一端に過ぎず、ポスターや書籍などのグラフィックにはじまり、オペラ、演劇、サーカス、ミュージック・ビデオ、オリンピックのプロジェクトなどなど、作品の幅広さとメジャー度が圧倒的。一人の人間がこれほど多岐のプロジェクトにかかわり、そのすべてにおいて高いクオリティで答えを出していることに唖然とするほどです。そりゃあもう、見ているうちに冷や汗をかくくらいの。

写真はビョークとのコラボ作品の部屋(主催者の許可を得て撮影しています)。


この展覧会の一番の見どころは、働く女としての気迫かもなあ。自らの責任に対する真摯さ、かっこよさ。「サバイブ」が口癖だったという石岡さんの仕事ぶり……いや、生きている意味を事態を自問するようなあり方が胸に迫ります。お前はどうなんだと問われているようで、首をがっくりと垂れるしかありません。。。なさけなや。(ö)

展覧会情報はこちら。会期:~2021年2/14 

休:月曜(1/11は開館)、12/28~2021年1/1、1/12 
観覧料:当日一般¥1,800ほか