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2025-07-17

いま、日本は戦争をしている −太平洋戦争のときの子どもたち−

あをぐみがデザインを担当した絵本『いま、日本は戦争をしている −太平洋戦争のときの子どもたち−』(小峰書店)をご紹介します。


絵と文は、堀川理万子さん。

かがくのとも(福音館書店)の『さんかくで いえを つくろう』『そっちから わたし、どんなふうに みえている?』に続き、堀川さんの本のデザインを担当するのは3冊目となりました。


「戦争」というテーマに向き合うことは、個人的に「人生の宿題」のような気がしていたので、ここで大きなチャンスをいただけたことに、運命的なものを感じています。


デザインに取り掛かる前に、äも取材に同行して体験談を直に聞くことができました。

インタビューだけでも大仕事なのですが、堀川さんは同時にイラストのラフと、そこに添える文章さえも平行して書いていくのです。しかもそれを数日くりかえして精度をあげていく……そのスピードと集中力には驚愕しました。


取材を終えてから、それらをもとに本格的にイラストを仕上げていくのですが、ある程度仕上がった段階で取材先に確認し、修正をくりかえす。

これは相当な覚悟とエネルギーが必要だった思います。

完成したイラストには、写真とはまた違った趣きが添えられ、戦時下でのほんとうの日常が封じ込められているように僕には見えました。


たったひとりの方への取材でもたいへんなのに、17人の方と向き合った。

結果、完成した本もおのずと大作になっています。

子どもたちはもちろん、すべての人に読んでもらいたい、と強く感じています。


原画展も開催されるので、リンク先からスケジュールを確認いただき、ぜひ足をお運びください。本の外側が感じられる貴重な機会です。(ä)

2025-06-04

今宵からまた、あのランプがオンします

本日から6月16日までの短い期間、

夜の帳が下りる頃にあのランプが煌々と輝きはじめます。

……そう、シアターランポンです。


さあ、ランポンシアターの扉を開けましょう。


今宵こちらで繰り広げられるのは、カレル・チャペック原作のロボットのおはなし。

扉の先はユートピアか、はたまたデストピアか。

ご自身の目で確かめてみてください。


本公演をイメージした、オリジナルバッジなどの販売もあります。

今回もバッヂデザインをあをぐみが担当しましたので、ぜひご注目くださいまし。(äwö)

2025-04-14

望月桂 自由を扶くひと@原爆の図 丸木美術館

2025年4月5日(土)から『原爆の図 丸木美術館』(埼玉)でスタートした展覧会「望月桂 自由を扶くひと」

本展のフライヤーとポスター、展覧会ZINE(限定部数ゆえ先着順配布ですが、なんと無料!)のデザインを担当しました。


共催に“安曇野市教育委員会”とあるのでお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、望月桂は長野県安曇野市に生まれ、あをぐみが拠点を置く松本市とも縁のある人物(松本の高校で美術教員をしていました)。

アナキストとして知られますが、美術の文脈ではほとんど注目されてきませんでした。


この展覧会は、企画担当の足立元さんが代表を務める「望月桂調査団」によって実現したもので、芸術家としての望月の活動に光を当て、彼自身とその周辺を掘り下げる野心的な内容となっています。

デザインをするにあたり、あをぐみäも作品の移送に参加してみましたが、活動にかけるメンバーの情熱のすさまじさを目の当たりにして思わず姿勢を正しました。


フライヤーやポスターでは、望月の絵画作品を全面に押し出すこと、美術家・風間サチコさんの手による展覧会ロゴを効果的に見せること、そしてこの2つをうまくつなぎながら、展覧会自体の世界観を印象的にデザインすることが、自分の役目となりました。

3種のメディアに使う紙を統一し、本来なら破棄されてしまう廃インクを調合・利用して、一風変わった質感と色味の印刷を実現。独自の世界を表現しています。


会期中の5月17日(土)には、調査団によるシンポジウム「望月桂を探求する」、5月31日(土)には調査団代表の足立元さんとライターの武田砂鉄さんによる対談「望月桂を発見する」が開催予定。

どんな話が飛び出すのか、楽しみが募ります。


この展覧会をきっかけに望月桂が多くの人に知られ、さらに情報が集まって理解が進んでいくことになるのでは、と期待大。

膨大な資料がまだ残されていることもあり、会期中も会期後も「調査団」のさらなる活動は続きます。


会期は、7月6日(日)まで。ぜひ足をお運びください!(ä)

2025-02-23

『そっちから わたし、どんなふうに みえている?』(かがくのとも 2025年3月号)

あをぐみがデザインを担当した『そっちから わたし、どんなふうに みえている?』(かがくのとも 2025年3月号)をご紹介します。



『さんかくで いえを つくろう』『ならべかえ -ましかくの へんしん-』と続いて絵本をデザインするのはこれで3冊目。

「▲」「■」ときたから今回は「●」・・・ではなく、「見てるわたし」と「見えているわたし」が交互に描かれることで、わたしの立ち位置を見つめなおせるような絵本です。


文は越智典子さん、絵は堀川理万子さん。

文章が添えてある見開きと絵だけの見開きが繰りかえされるのですが、このリズムによって、深く文章に向き合えるというか、深呼吸するように絵の余韻を味わうことができる気がします。ページ数に収まらない大きさの情報量があるなあ・・・とデザインしながら感嘆しました。


僕にも、子どものころから現在までずーっと手元に残っているたいせつな絵本がありますが、この絵本も誰かにとっての「それ」になる絵本だと思います。


「かがくのとも」は月刊誌なので、書店で手に取れる時間も残りわずか。気になる方はぜひお近くの書店へダッシュで! とはいえ、バックナンバーをあつかっている本屋さんもありますので、ぜひ探してみてください。


あなたも表紙のあの子と目があいますように。(ä)

2024-12-06

大河ドラマをもっと面白がるための一冊

10月のはじめに行われた、松本市図書館のイベント「ライブラリレー」

図書館のイベントなので、本に関係のある人がリレー形式でトークをしていくわけですが、この回ではあをぐみöが、“編集者”という立場からお話をいたしました。


題して「編集という仕事。あるいは大河ドラマをもっと面白く見る方法」。


なぜここに大河ドラマが出てくるのかというと、『光る君』の次となる大河の主人公が、“編集者の祖”ともいえる蔦屋重三郎だからです。編集者の仕事を、江戸時代の蔦重をとおしてご説明する、というのがテーマの意図なのですが、とはいえ、寄らば大樹の陰ならぬ大河の陰とばかりに、蔦重をもちだしてくるとはポピュリストめ、と思いますよね。でも蔦重にフォーカスしたのには、ちゃーんと理由があるのだ。öがその頃ちょうど、この本を編集していたからです。


東京美術から先日刊行されたばかりの書籍『もっと知りたい蔦屋重三郎 錦絵黄金期の立役者』


著者は千葉市美術館の副館長をご退館されたばかりの田辺昌子さんです。(デザインはあをぐみäが担当)


この本を読むと、今も昔も編集者の仕事内容はほとんど変わりがないのねえ、とつくづく。道具が筆からガジェットに変わったのは大きな変化かもしれませんが、中身はほぼ同じ。「ライブラリレー」でも、そうした編集者今昔物語的なお話をさせていただきました。


この本には、蔦重がどのような人物で、まわりにどんな人がいて、どういった仕事を成し遂げたのかが非常にわかりやすく紐解かれているので、読めば大河ドラマがより一層臨場感をもって楽しめること間違いなし。我々も1月の放送スタートまでにもう一度読み直そうと思います。(ö)

2024-11-25

つなぐ - 上野動物園ジャイアントパンダ飼育の50年

古くからの友人であり、クライアントでもあり、デザイン仲間でもあるOT氏から久しぶりに声がかかり、東京都恩賜上野動物園がジャイアントパンダの来園50年記念として出版する書籍をデザインすることになりました。

それが『つなぐ - 上野動物園ジャイアントパンダ飼育の50年』です。



A4サイズの大型本と、その内容をコンパクトに再編集したA5サイズの小型本の2種類をつくりました。
大型本は関係者に納める非売品ですが、東京だと一部の図書館で閲覧が可能です。
ちなみに国立国会図書館の広報誌では、「本屋にない本」として紹介していただきました。制作チームのひとりとして、ご注目いただけたことを心からうれしく思います。

小型本【抄本】は、園内のショップでのみ購入できます。
パンダファンなど「ぜひとも手に入れたい!」という方は、ショップスタッフさんに声をかけてみてください。

本書では、パンダに向き合ってきた人たちのさまざまな想いや経験が、それぞれの語り口で紹介されています。
パンダの存在を、見た目だけのかわいさだけで消費してしまうのではなく、生き物として命をつないでいくのがどういうことなのか、動物園の存在意義とは何なのか・・・など、深く考えるきっかけを与えてくれる2冊です。

デザイン的なことをいえば、色や手触り含め、さまざまな仕掛けをほどこしました。
松本市の中央図書館で去る2月に開催したトークイベント「ライブラリレーまつもと」で、そのことについて詳しくお話ししたので、こちらでは割愛します。

本を手に取られた方は、どんな意図でデザインしたのか想像しながらお楽しみいただけるとうれしいです。(ä)





2024-09-19

ダリ作品集

あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『ダリ作品集』(東京美術刊)が発売中です。


1924年にアンドレ・ブルトンが『シュルレアリスム宣言』を発表してから100年という今年、ダリの作品集を手掛ける機会をいただけて嬉しい限りです。 


しかしダリ……たくさんの仮面を被った全身芸術家で、既刊本も多い……2024年の今われわれが作品集をつくるなら「これだ!」、というものにしなければ意味がないため、なかなかの難問です。


ダリに限らずですが、作品集や写真集のデザインで頭を悩ますのが、絵画作品を「本」というメディアに、「印刷」という表現でどう定着させるかという問題。というのも印刷物は、どんなにがんばっても絵画を完璧に表現できるわけではないので、「本物を観に行くのが一番」と言われてしまったら、ぐうの音もでません。


そのため、作品の紙上再現を目指すのではなく、“作品集ならではのおたのしみ”を提供することに頭を切り替える。

つまり、“作品集を見ること=エンタメ”として、どう楽しんでもらうかを考え、デザインしていくことになります。


今回は、大判であることを活かし、ダリの絵がどーんと大きく見える工夫をしたため、大半の作品解説は後ろにまとまっています。

それらのテキスト内容もかなりご期待いただきたいところ。1人の著者による論考ではなく、監修の松田健児さんを筆頭に、気鋭の研究者チームにご執筆いただいているのです。各人の筆致の違いもマニアックな楽しみ方のひとつかと。


大判で見応えも読み応えもある本に仕上がりましたので、ぜひ手に取ってお楽しみください。(äwö)

2024-07-29

もっと知りたい喜多川歌麿

あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『もっと知りたい喜多川歌麿』(東京美術刊)が発売中です。




浮世絵と聞いて、真っ先に北斎や広重の風景画を想像される方も多いかもしれませんが、浮世絵にもいくつかジャンルがあり、なかでも「美人画」といえばやはり喜多川歌麿です。


名もなきふつーの女性から、当時のトップアイドルのドヤ顔まで、さまざまな表情を描いた歌麿。

その美人画は当然ポートレートとしても楽しめますが、江戸の女性たちの生活や嗜好を知ることのできる貴重な資料、でもあるのです。


華やかな浮世絵作品をバンバン描くその裏で、たびたびお咎めを受けたり、果ては牢屋に入れられたり。それでも屈することなく、あの手この手を駆使しながら絵師であり続けた歌麿の姿を知ることで、画の見え方も変わるかも。著者である田辺さんの鋭くもあたたかい考察や長年の研究が凝縮した、わかりやすく奥深い一冊。じっくりお読みいただけるとうれしいです。(äwö)

2024-07-08

別冊太陽 新版 武井武雄の本

 武井武雄ファンのみなさま、そして前号が手に入れられていなかった方にも朗報です。

あをぐみがエディトリアルデザインを担当した『新版 武井武雄の本 幻想世界のマルチアーティスト』(別冊太陽 日本のこころ 317/平凡社刊)が、内容も装いも新たな“新版”として発売中です。


“新版じゃないほう”をブログで紹介した時から、もう10年も経っている! ……光陰の速さに衝撃を受けました。

過去に担当した別冊太陽をリニューアルするのは、実に初めての経験でした。

自分でも、“新版じゃないほう”のデザインを気に入っていたこともあり、どこまで手を加えるかはなかなか悩ましい判断でもありました。

できるだけ活かしながら、細かなところをアップデートしておりますので、見比べていただけるとうれしいです。

それにしても、武井武雄作品にはいつ見ても新たな発見がある! と感服しています。

デザインを進めるなかで、推しの作品がさらに増えたり、前回気づかなかった魅力にも出合えました。

そうそう、“新版じゃないほう”の出版は生誕120周年を記念してのことだったので、そこから10年経ったということは、武井武雄が生誕130周年を迎えた、ということでもあるわけです。

というわけで現在、東京の目黒区美術館で「生誕130年 武井武雄展」が開催中。

別冊太陽で紹介されている作品も多数展示されているので、本と合わせてお楽しみいただけます。

僕もひと足先に見てきましたが、これだけの数の作品を一度に観られることはなかなかないので大満足。岡谷市のイルフ童画館を訪れたことがある人でも大満足できるのではないかと、確信しています。(ä)

会期は8/25まで。

2024-04-05

『ならべかえ -ましかくの へんしん-』(かがくのとも 2024年5月号)

あをぐみがデザインおよび「え」を担当した『ならべかえ -ましかくの へんしん-』(かがくのとも 2024年5月号 福音館書店)が発売されました。



著者は数学者の瀬山士郎さん。そのお名前と並んで、表紙に「絵」の担当者として自分(あをぐみ ä)の名前が掲載されたのは、とても光栄です。

タイムマシーンで過去に行って、こどもの自分に手渡してあげたい。「未来のおまえがこれをつくるぞ!」って。

仕事をしているとときどき、憧れていた人に出会えたり共に仕事ができたりという嬉しいことが起こりますが、今回もそれと同様。これまでにない特別な仕事になりました。


この本に出てくる要素はかなりシンプルなので、簡単にデザインが完成したように見えますが、実は逆。ガラスを磨いて何も見えないくらい透明にするのと同じように、細部に至るまでデザインを研ぎ澄ませていくのって、なかなかのエネルギーを必要とするのです。

ネタバラししてしまうとつまらなくなるので多くは語りませんが、印刷にもひと工夫してあり、その効果もうまく出せていると思います。


無意識的なことも、また、意識的に狙ったりすることもありますが、「しかく」を切り「ならべかえ」て形を変えていく行為は、ロゴをデザインする際にもよくやるのです。

なので僕自身としては、この絵本を通して、デザインという行為の原点や自分の思考パターン、そして手癖みたいなことを再確認する感じで、とても興味深く向き合えました。


『ならべかえ -ましかくの へんしん-』を読み(聞かせ)ながら、せっかくなのでいっしょに折り紙を切ってならべかえて、手の楽しみも味わってください。(ä)

2024-01-09

特別展「北斎サムライ画伝」@すみだ北斎美術館のPR

むかしむかし葛飾北斎が活動していた現在の東京都墨田区界隈。

その両国駅に近い「すみだ北斎美術館」で、2024年2月25日まで特別展「北斎サムライ画伝」が開催されています。


展覧会では、刀を持ってポーズを決める武士や、勇ましく戦う様子が描かれた合戦画など、誰もが思い描くサムライイメージの作品も多々。

ポスターやフライヤーなどのメインビジュアルも、そんな感じでカッコよく決まっています。


そんななか、あをぐみがお手伝いさせていただいたPR用のグッズは、ちょこっとズラした視点。

主には、海外から訪れる観光客に向けたPRツールとして制作したもので、これこれ、いわゆるラゲージタグですね。


なぜラゲージタグなのか。

しかも、勇壮なサムライと真逆の、のほほんとしたビジュアルイメージ(参勤交代の風景を描いた北斎作品「冨嶽三十六景 従千住花街眺望ノ不二」を使っています)・・・。


その理由は、果敢に戦うだけがサムライの仕事ではなく、そこにはフツーの日常やルーティーン的なお仕事があり、人生がある。そんなことも感じてもらえればいいな、という館側の隠されたメッセージでもあるのです。


というわけでこの「旅するサムライラゲージタグ」、北斎の出展作品をあしらいながら、航空会社とかで配られるラゲージタグの要素を組み入れるなど、ちょっとパロディなデザインにしました。参勤交代の侍たちの荷物にもついていたらいいなーとw。


タグは本展の割引券にもなっていて一石二鳥。同美術館近隣のホテルで、訪日客の方へお配りしているとのことなので、ぜひ活用していただきたいところ。

日本にお住まいのかたも、北斎作品とサムライを楽しみに、展覧会を訪れていただければさいわいです。(äwö)

2024-01-06

フライヤー@三の丸エリアプラットフォーム

前回前々回のブログのつづき。


現在、松本市・三の丸エリアにある10にわたる界隈の活動をサポートしている、三の丸エリアプラットフォーム(以下、三の丸AP)。あをぐみでは、それら界隈ごとに行われる実証実験の、告知フライヤー・デザインもサポートしています。


どの界隈も独自の性格をもっているので、特色を活かしつつ「三の丸エリア」という関係性(つながり)も伝える必要がありました。


そこで、前回ブログでもお伝えした「つなげられる三の丸APパンフレット」のアイデアを下敷きに、ロゴの一部である「○」をフライヤーの四隅に配置。それによって、別界隈のフライヤー同士もつなげられるようにデザインしました。

こんな感じです。


これなら同時期に開催される実証実験のイベントであれば、並べて告知して関連性を可視化するといった効果を生みだすこともできます。

さらに、イベントが終わっても、アーカイブされるたびにつながりが積み上がって、「松本城三の丸エリアビジョン」の大きなメインビジュアルに育てられます。


フライヤーは、大まかにサイズや仕様、フォーマットなどは決めましたが、厳密に限定しませんでした。

そのことにより、完璧にひとつにつながるのではなくパッチワーク状になっていく。そのことが「三の丸エリア」界隈の特徴や個性を、より確かに伝えられるとも思っています。


ちなみに先ほどお見せしたつなぎ方は、界隈のフライヤーを地図上の位置関係に並べたもの。三の丸APのフライヤーがそれを縁の下で支えてるようなイメージを想起させています。並べかえによって別のイメージも表現できそうです。


三の丸APの活動も、シーズン1(2023年)のおわりが近づいており、シーズン2(2024)がはじまろうとしています。

「松本城三の丸エリアビジョン」が、これからどのような展開をみせるのか、あをぐみがそこにどう関わっていけるのか、とーっても楽しみです。(äwö)

2023-11-29

三の丸エリアプラットフォームのパンフレット

前回ブログのつづきとして、三の丸エリアプラットフォーム(以下、三の丸AP)のパンフレット・デザインのお話をします。


新しくはじまろうとしている「三の丸AP」と、その活動内容および特徴を、どう印象深く紹介できるか……それが今パンフレットの最重要課題でした。


そんななか、ロゴをデザインした張本人がパンフレットのデザインも担当したことで、本来ならロゴデザイナーからNGを出されそうなことにもチャレンジできたのは利点でした。

たとえば、ロゴを左右でぶった切っていたり、指定色を使わなかったり、などなど。


正確にいうと、ロゴは切られているのではなく、つなげられるよう分割した、 のです。

この”つなげられるロゴ”というアイデアは、後にデザインしていく各種フライヤーにも展開していきます。


さらに、このパンフレットの大きな特徴といえるのが、「紙とインク」です。


三の丸APは、官民が連携して行われる活動であり、そのことがパンフ用紙の手配でも活かされました。

というのも、パンフの用紙は市役所で発生した使用済み古紙を製紙機で再生した「エコペーパー」を利用したもの。

つまり松本市役所生まれの紙なのです。


加えて、今回の印刷を担当してくれた藤原印刷の提案で、パンフレットのグレーのインクに「廃インク」を使用することになりました。

使用済みでいずれ破棄することになるインクを再利用し、目安としたグレーに近い色味になるまで、念入りにインクを調合してもらったのです。


ただし、バラ付きの生じやすい再生紙に廃インク、という難易度の高い組み合わせゆえ、なかなかひと筋縄ではいかず、広報チームのみんなで現場まで足を運んで、印刷所のご担当者と慎重に打ち合わせ&試刷りを重ねました。



と、こんなふうにさまざまな関係者の知恵とご協力をいただけたことで、シンプルだけどインパクトのあるパンフレットに仕上がりました。

「つなげられるロゴ」というアイデアにより、複数のパンフをつなぐことができるため、イベント時には大型看板にも早変わり。


この看板を街で見かけたら、「あ、三の丸APが何かやっているな!」と思ってくださいね。


次回以降は、三の丸APの各フライヤーについて、改めてブログでご紹介します(äwö)。

2023-11-23

三の丸エリアプラットフォームのロゴ

松本城を取り囲む三の丸エリア。そこを主な舞台とする「三の丸エリアプラットフォーム(以下、三の丸AP)」は、松本市が策定した「松本城三の丸エリアビジョン」を実現するための地元・民間主体の組織です。

今年度は、松本城三の丸エリアの10の界隈で各メンバー(事業会員)がさまざまなプロジェクトを実施しているのですが、三の丸APはそのサポートを多方面から行っています。


で、その三の丸APのロゴマークを、あをぐみがデザインしました。

フライヤーやチラシなどで目にした方もいるかもしれませんが、こちらです。

“三の丸”は本来同心円ですが、あえてマルを並列にしています。

そのほかにもパーツそれぞれに意味や想いはあるのですが、三の丸APの合言葉は“誰かに語りたくなる暮らし”。その合言葉にならって、ロゴを見た人たちが「独自解釈ができ、それを誰かに話したくなるカタチ」を念頭にデザインしました。


明日11月24日には、三の丸エリアに移転オープンしたばかりの松本市立博物館で、「公開レポート&フィードバック」を開催します。

こちらは、6つの界隈での社会実験の結果をプロジェクトのメンバーが発表し、より良い活動へと発展させていくためのフィードバックや意見交換を行う機会です。どなたでも参加可能なので、ぜひのぞきにきてください。

あをぐみは、このロゴにとどまらず、三の丸APのパンフレットや各社会実験のフライヤーなど、横断的にデザインを担当させていただいています。

次回のブログでは、パンフレットのデザインをご紹介します。(äwö)

2023-05-15

シアターランポンのロゴ

松本市を拠点に活動をはじめたあたらしい劇団「シアターランポン/theatre LAMPON」のロゴ・デザインを、あをぐみが担当させていただきました。

ロゴは、劇団を象徴する大切な存在です。さらには、これから彼らに興味をもち、応援してくださる未来のファンのアイコンにもなるし、もっと言えば、シアターランポンといっしょに松本の演劇を盛りあげるムーブメントの旗印にもなりえる……。つまり、劇団をめぐるたくさんの人の”北極星”たる存在なわけです。それをデザインするなんて、たいへん光栄なこと。あをぐみも気合いが入リました。


メンバーに集まってもらい、松本に軸足を置いて演劇を続けていく理由など、あれこれヒアリング。そのなかで、彼らの演劇に対するまっすぐな想いと、そうは言ってもどこかふざけたいという子どもみたいな気持ちなど、独特のセンス&ユーモアをビシビシ感じました。そんなこんなを大事にもち帰り、あーでもないこーでもないと模索して、このロゴのデザインに至ったわけです。


彼らのサイトに、あをぐみによるロゴについてのことばも掲載されていますので、興味がある方はそちらにも目を通していただければさいわいです。


今後のシアターランポンの活躍、と〜っても楽しみです。(äwö)

2023-02-17

もっと知りたいローランサン

あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『もっと知りたいローランサン』(東京美術刊)が発売中です。



昨年担当した『もっと知りたいシャネルと20世紀モード』に続いて、シャネルと同じ年に生まれ、同じ街(パリ)で大きく活躍した女性画家、ローランサンを手掛けることができたのは、とても幸運でした。ここのところ、20世紀はじめに活躍した女性たちが取りあげられる機会が増えているのは、「いま、この時代だからこそ」の大きな流れがあるように感じます。


ふわっとした印象の絵が多いので、ほっこりした画家のように思われていそうですが、彼女の言動を紐解くとむしろ「カッコいい!」とさえ感じます。そして同時にユーモアにもあふれてる。

同時代や後進の画家、作家たちに大きな影響を与えたのは、その独特な絵画表現によるものだけではなく、ローランサン自身の人柄も大きいのかも。


現在、東京・Bunkamura では「マリー・ローランサンとモード 」展も開催中。本書をガイドブックとして携えつつ足を運んで、彼女の絵とその時代の空気をも、楽しんでみてはいかがでしょう。(äwö)

2023-02-14

カーサブルータス(WEB)の余談

松本市内で現在開催中の「マツモト建築芸術祭2023」(〜2月26日)。

あをぐみöが取材した記事がウェブ版のカーサブルータスで見られるので、ぜひご覧ください。


記事では紹介していない“追記”を少々こちらにて。


各作家さんの作品が見どころなのはもちろんですが、その器たる建築そのものの解像度が、作品が入ることで高まること……それもこの芸術祭の真骨頂かと思いました。


たとえば、記事でもご紹介した〈割烹 松本館〉 。


その大広間は、何も展示されていなくてもしつらえだけで圧巻なのですが、福井江太郎のダチョウが入ったことで、天井の鶴までもが生命感をもって迫ってくる。鳥同士で呼び合っているんですかねえ。


展示とはカンケーないけど、1階には「節分」のディスプレイがされていて、それもまた楽しく目を引きました。季節感を大事にする料亭の心くばりが素敵です。


こちらはもともと洋裁店だった六九町の〈旧油三洋裁店〉で見られる、ヨーガン・アクセルバル + amachi.の展示。

廃墟同然だった建てものの解像度が展示でググッとあがり、止まっていた物語が息を吹き返したように思えます。


洋裁店だった頃の名残が、いい感じに展示内容とつながっているし。


こちらは記事では紹介していませんが、止まっていた物語が今とつながる例として、〈上土シネマ〉での河合政之さんの展示もいい。


写真は本人パフォーマンスのものですが、通常の展示では、2階のスクリーンに色と音だけの映像が延々と流れています。


作家本人の意図とは違うöの個人的見解ですが、ボーッと色だけの映像をみていると、この映画館が閉館までずっと流してきた歴代の映画が渾然と凝縮して流れているかのような錯覚にとらわれ、ちょっと感傷的にもなりました。


芸術祭の会期も半ばになってきました。

まだご覧になっていない方はぜひお出かけください。(ö)

2023-01-28

うらまち探検プロジェクト

去る2022年11月、松本城の東に位置する「裏町」でイベントがあり、そのフライヤーなどをあをぐみがデザインしました。



「裏町」。どこか怪しげなネーミングですが、さかのぼると江戸時代にはこのエリア、すでにこの名で呼ばれているのです。歴史を紐解くと長くなるので省略しますが、数年前まで飲み屋街だったこの街も、今やシャッター街。そんな裏町を盛りあげようと開かれたのが、今回のイベント「うらまち探検プロジェクト」です。


フライヤーをデザインするにあたって、イベントの内容はもちろんですが、かつての裏町、そしていまの裏町についてもリサーチ。界隈を昔から知るあをぐみ ö にもヒアリングしました。

その話しを聞きながら、頭のなかにある音楽が流れ出しました。シュガーベイブの「DOWN TOWN」……いや、「オレたちひょうきん族」のエンディング曲、というのが正しいですね。こどもの自分には、あの曲を聴くと土曜日が終わってしまうさびしさがありましたが、裏町がキラキラしていた当時、大人たちはこの曲が流れる頃「さあ、夜はこれから!」と、うきうき出かけていったんだろうな、と。


そんな裏町のキラキラ感を終わらせないと奮闘している大人たちによる、今回のイベント。大人の街だった裏町ですが、今は子どもたちや若者も一緒にうきうき出かける町を目指したいところ。それならこのイベントにどんな面構え(デザイン)を与えるべきか……など、あーだこーだ考えた結果、このチラシのデザインにたどり着きました。


さてイベント当日、プログラムのひとつだった「空きビル探検ツアー」が思いのほか人気で、物件を借りたいという本気の人から、昭和のスナックの雰囲気を見てみたいという人まで、たくさんの申込者が集まり、関係者も大喜びでした。これをきっかけに、街が少しずつドライブしていくといいなあと思います。(äwö)

2023-01-25

『さんかくで いえを つくろう』

 あをぐみがデザインを担当した『さんかくで いえを つくろう』(かがくのとも 2023年2月号 福音館書店刊)が発売中です。



「かがくのとも」や「こどものとも」……。こどものころから今に至るまで大事に手元に置いてあるのもあるほど、慣れ親しんだシリーズです。その絵本シリーズのデザインができるなんて! とても刺激的で、なにより感慨深くもありました。


著者は堀川 理万子さん。デザインに取り掛かる前にそのアトリエにお邪魔し、「さんかく」のつくり方を楽しく教わってきました(ちょっとネタ明かしをすると、この「さんかく」、新聞紙でつくるんです)。あをぐみ事務所に戻ってからも、せっせと「さんかく」で「いえ」をつくり、その感覚や気持ちがデザインに生きるように心がけました。


デザインについて話したいことは山ほどあるけど、なんだか野暮な気がしてきたのでやめます。ぜひ本書を手に取って、“読む”と“つくる”の両方を楽しんでいただければうれしいです。


余談ですが、著者の堀川さん、つい先日NHK Eテレの番組にご出演され、愛読してきた本についてお話しされていました。本と絵をしみじみ愛する堀川さんだからこそ、こういう絵本が生まれるんだなあ。(ä)

2022-11-11

もっと知りたいシャネルと20世紀モード

 あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『もっと知りたいシャネルと20世紀モード』(東京美術刊)が発売中です。





シャネルの生涯を追いながら、その作品はもちろん、同時代のデザイナーや交流のあった人物も取りあげ、20世紀モードを立体的に知ることのできる画期的な一冊となっています。


ファッションやメゾンとしてのシャネルが好きな人や商品の愛用者は、その源泉ガブリエルを知るための絶好の参考書にしていただけそう。そして、芸術から文学から音楽などなど、ありとあらゆる文化の天才たちが戯れる20世紀パリの一端を、ファッションというメガネから見る楽しみも。本書で才能同士の出会いを知るにつけ、天才はひとりで天才になるのではないと、つくづく。”天才スパイラル”みたいな渦にうまく巻き込まれることも必要なのかもしれません。


もっと身近に視点を戻せば、自らのファッションについても考える契機になるかも。洋服が、ただ寒さをしのいだり暑さを避けるだけのものであってはつまらない。かといって、誰かに見せる(見られる)ための”武装”だけでもシンドイ。自分自身を高みにあげつつ自然に生きるためのファッションのあり方についても、この本をデザインしながら思い知らされました。


三菱一号館美術館で「ガブリエル・シャネル展」が開催されるなど、クリエイターとしてのシャネルが大きく取り上げられる機会も多かった2022年。ファッションにフォーカスした展覧会は来年以降も目白押しなので、本書を読むかたわら、いろいろ足を運ぶともっと楽しめるかと思います。(äwö)