2022-11-11

もっと知りたいシャネルと20世紀モード

 あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『もっと知りたいシャネルと20世紀モード』(東京美術刊)が発売中です。





シャネルの生涯を追いながら、その作品はもちろん、同時代のデザイナーや交流のあった人物も取りあげ、20世紀モードを立体的に知ることのできる画期的な一冊となっています。


ファッションやメゾンとしてのシャネルが好きな人や商品の愛用者は、その源泉ガブリエルを知るための絶好の参考書にしていただけそう。そして、芸術から文学から音楽などなど、ありとあらゆる文化の天才たちが戯れる20世紀パリの一端を、ファッションというメガネから見る楽しみも。本書で才能同士の出会いを知るにつけ、天才はひとりで天才になるのではないと、つくづく。”天才スパイラル”みたいな渦にうまく巻き込まれることも必要なのかもしれません。


もっと身近に視点を戻せば、自らのファッションについても考える契機になるかも。洋服が、ただ寒さをしのいだり暑さを避けるだけのものであってはつまらない。かといって、誰かに見せる(見られる)ための”武装”だけでもシンドイ。自分自身を高みにあげつつ自然に生きるためのファッションのあり方についても、この本をデザインしながら思い知らされました。


三菱一号館美術館で「ガブリエル・シャネル展」が開催されるなど、クリエイターとしてのシャネルが大きく取り上げられる機会も多かった2022年。ファッションにフォーカスした展覧会は来年以降も目白押しなので、本書を読むかたわら、いろいろ足を運ぶともっと楽しめるかと思います。(äwö)

2022-11-06

イベント「昔の灯を体験しよう」

 東京都町田市にある人気の公園「町田薬師池公園四季彩の杜 西園」を舞台に、10月末から開催されているイベント「Park Fest 894 in 西園」。期間中はパフォーマンスやライブ、ワークショップと、楽しいプログラムが目白押しなのですが、最終日11月13日の1日オンリー、しかも黄昏時の17時から催されるユニークな企画が「昔の灯を体験しよう」です。

あをぐみは、このイベントのチラシをデザインしました。


地元出身、柳家小はぜさんの落語と、電気が普及する以前の時代に戻ったような灯りを体験できる、宵のイベント。大人はもちろん、小学1年生から楽しめる企画なので、お近くの方はぜひご家族で参加してみてください。

こんな素敵なイベント、ぜひ松本でもやってほしいなあ。そしたら落語家はあの人を呼びたい、、、いや、星新一&志ん朝・小三治の「星寄席」をかけるか、、、などと妄想がふくらみます。(äwö)

2022-11-05

ハナブサ・リュウ「肖像✦身体 -Portraits ✦ Bodies-」

写真家ハナブサ・リュウさんの作品展「肖像✦身体 -Portraits ✦ Bodies-」が、東京・新宿のニコンプラザ東京 THE GALLERY で11月14日まで開催されています。

ハナブサさんとあをぐみとは、別冊太陽の『パリ オルセー美術館』のデザインを担当させていただいたのが最初のご縁でした。このとき2006年。

続けて、同じ別冊太陽の『モネ 光と色の革命児』、『ルノワール 色の魔術師』とデザインを担当。当時フリーランスとしては駆け出しだった自分が、デザイナーとして信頼される責任や喜びをひしひしと実感したことを思い出します。

以上の3冊は、「写真家の目をとおして絵画や彫刻を観る」という、おもしろくも貴重な”体感”のできる本となりました。


あれから15年以上の時が経った今年、ひさしぶりにハナブサさんのお手伝いをさせていただく機会がありました。

それがニコンでの個展のDMとパネルワークです。


先日あをぐみも拝見してきましたが、被写体は蝋人形や彫刻なのに、人間の生々しさ……いや、なまめかしさが感じられる蠱惑的で魅力的な写真がずらりならび、圧巻でした。

新宿へお出かけの際には、ぜひニコンプラザ東京 THE GALLERY へお立ち寄りください。11月24日からはニコンプラザ大阪 THE GALLERYへ巡回しますので、お近くの方はぜひそちらへも。(ä)

2022-09-04

別冊太陽 絵本で学ぶSDGs

あをぐみがエディトリアルデザインを担当した『絵本で学ぶSDGs』(別冊太陽 日本のこころ 301/平凡社刊)が発売中です。



『五味太郎 みちはつづくよ……どこまでゆくの?』『科学絵本の世界100 学びをもっと楽しくする』と、絵本に関する特集を続けて担当し、あらためて絵本の魅力やパワーを思い知りました。そんなこともあり、コロナにふりまわされる世界になって以降、絵本ばかり読んでる気がします。


表紙や本文のイラストは小山友子さん。描かれた子たちといっしょに、ときに楽しく、ときには真剣に、SDGsを学んでいける一冊です。

SDGsは“ゴール”が17もあるうえ、そのゴール自体もいろんな条件でからみあっています。僕自身もデザインしながら「自分たちはなんて複雑な世界に生きてるんだ」と実感したかと思えば、「問題の本質や解決するための答えは、ホントは単純だったりするのかも」と逡巡したり。

項目が多くてわかりにくい側面もあるSDGsですが、同書はその理解にとても役立つガイドブックとしても使ってもらえる一冊になりました。


ところで、絵本の選書に携わった方々の多くは「絵本専門士」とのこと。この本をデザインしたことではじめて絵本専門士という職業を知りました。


絵本と聞くと、子どもたちのためのものと思い込みがちですが、世界をつくってる大半が大人たちですから、そう考えると、むしろ大人たちが読むべき絵本がたくさん紹介されていると言えるかもしれません。


さいごに個人的なことをひとつ。公共図書館の取り組み例としてコラムで取り上げられている塩尻市立図書館は、あをぐみもたびたび利用する、とても素敵な図書館です。自分がデザインする本で身近な場所が取り上げられるという、ふだんと違ったうれしさもありました。(ä)