松本城址にあるかつての博物館の建物が、もうすぐ取り壊し。別れを惜しみ、その一生を寿ぐように、いま「マツモト建築芸術祭」が行われています。
特に松本市にお住まいの方には、ぜひ見ていただきたい。
あをぐみöが「カーサブルータスウェブ」にリポート記事を書きましたので、ご参考までに。
会期は3月24日まで。(ö)
松本城址にあるかつての博物館の建物が、もうすぐ取り壊し。別れを惜しみ、その一生を寿ぐように、いま「マツモト建築芸術祭」が行われています。
特に松本市にお住まいの方には、ぜひ見ていただきたい。
あをぐみöが「カーサブルータスウェブ」にリポート記事を書きましたので、ご参考までに。
会期は3月24日まで。(ö)
中央図書館でのワークショップとトークイベントにご参加いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。
あいにくの天気でしたが、多くの方にお集まりいただき、そして楽しんでいただけて、とてもうれしく思っております。
当日の感想なども、今後のあをぐみブログでお伝えしていきたいと思いますが、まずは大事なありがとうをお伝えしたく、この場をお借りしました。
ワークショップでみなさんにデザインしていただいた文字のフォントは、ただいま作製中。
まだまだ時間がかかってしまいますが、完成したら図書館からご案内が届きます。楽しみにお待ちください。
午後のトークイベントのときに「勇気をもつ」という話しをしましたが、アンケートのコメントを拝読しながら、勇気づけられてるのはいつだってわれわれの方なんだよなあ……と、しみじみしています。(ä)
来る2月23日、あをぐみäが松本市中央図書館でワークショップとトークイベントを行うことになりました!
むかしむかし葛飾北斎が活動していた現在の東京都墨田区界隈。
その両国駅に近い「すみだ北斎美術館」で、2024年2月25日まで特別展「北斎サムライ画伝」が開催されています。
展覧会では、刀を持ってポーズを決める武士や、勇ましく戦う様子が描かれた合戦画など、誰もが思い描くサムライイメージの作品も多々。
ポスターやフライヤーなどのメインビジュアルも、そんな感じでカッコよく決まっています。
そんななか、あをぐみがお手伝いさせていただいたPR用のグッズは、ちょこっとズラした視点。
主には、海外から訪れる観光客に向けたPRツールとして制作したもので、これこれ、いわゆるラゲージタグですね。
なぜラゲージタグなのか。
しかも、勇壮なサムライと真逆の、のほほんとしたビジュアルイメージ(参勤交代の風景を描いた北斎作品「冨嶽三十六景 従千住花街眺望ノ不二」を使っています)・・・。
その理由は、果敢に戦うだけがサムライの仕事ではなく、そこにはフツーの日常やルーティーン的なお仕事があり、人生がある。そんなことも感じてもらえればいいな、という館側の隠されたメッセージでもあるのです。
というわけでこの「旅するサムライラゲージタグ」、北斎の出展作品をあしらいながら、航空会社とかで配られるラゲージタグの要素を組み入れるなど、ちょっとパロディなデザインにしました。参勤交代の侍たちの荷物にもついていたらいいなーとw。
タグは本展の割引券にもなっていて一石二鳥。同美術館近隣のホテルで、訪日客の方へお配りしているとのことなので、ぜひ活用していただきたいところ。
日本にお住まいのかたも、北斎作品とサムライを楽しみに、展覧会を訪れていただければさいわいです。(äwö)
現在、松本市・三の丸エリアにある10にわたる界隈の活動をサポートしている、三の丸エリアプラットフォーム(以下、三の丸AP)。あをぐみでは、それら界隈ごとに行われる実証実験の、告知フライヤー・デザインもサポートしています。
どの界隈も独自の性格をもっているので、特色を活かしつつ「三の丸エリア」という関係性(つながり)も伝える必要がありました。
そこで、前回ブログでもお伝えした「つなげられる三の丸APパンフレット」のアイデアを下敷きに、ロゴの一部である「○」をフライヤーの四隅に配置。それによって、別界隈のフライヤー同士もつなげられるようにデザインしました。
こんな感じです。
これなら同時期に開催される実証実験のイベントであれば、並べて告知して関連性を可視化するといった効果を生みだすこともできます。
さらに、イベントが終わっても、アーカイブされるたびにつながりが積み上がって、「松本城三の丸エリアビジョン」の大きなメインビジュアルに育てられます。
フライヤーは、大まかにサイズや仕様、フォーマットなどは決めましたが、厳密に限定しませんでした。
そのことにより、完璧にひとつにつながるのではなくパッチワーク状になっていく。そのことが「三の丸エリア」界隈の特徴や個性を、より確かに伝えられるとも思っています。
ちなみに先ほどお見せしたつなぎ方は、界隈のフライヤーを地図上の位置関係に並べたもの。三の丸APのフライヤーがそれを縁の下で支えてるようなイメージを想起させています。並べかえによって別のイメージも表現できそうです。
三の丸APの活動も、シーズン1(2023年)のおわりが近づいており、シーズン2(2024)がはじまろうとしています。
「松本城三の丸エリアビジョン」が、これからどのような展開をみせるのか、あをぐみがそこにどう関わっていけるのか、とーっても楽しみです。(äwö)
前回ブログのつづきとして、三の丸エリアプラットフォーム(以下、三の丸AP)のパンフレット・デザインのお話をします。
新しくはじまろうとしている「三の丸AP」と、その活動内容および特徴を、どう印象深く紹介できるか……それが今パンフレットの最重要課題でした。
そんななか、ロゴをデザインした張本人がパンフレットのデザインも担当したことで、本来ならロゴデザイナーからNGを出されそうなことにもチャレンジできたのは利点でした。
たとえば、ロゴを左右でぶった切っていたり、指定色を使わなかったり、などなど。
正確にいうと、ロゴは切られているのではなく、つなげられるよう分割した、 のです。
この”つなげられるロゴ”というアイデアは、後にデザインしていく各種フライヤーにも展開していきます。
さらに、このパンフレットの大きな特徴といえるのが、「紙とインク」です。
三の丸APは、官民が連携して行われる活動であり、そのことがパンフ用紙の手配でも活かされました。
というのも、パンフの用紙は市役所で発生した使用済み古紙を製紙機で再生した「エコペーパー」を利用したもの。
つまり松本市役所生まれの紙なのです。
加えて、今回の印刷を担当してくれた藤原印刷の提案で、パンフレットのグレーのインクに「廃インク」を使用することになりました。
使用済みでいずれ破棄することになるインクを再利用し、目安としたグレーに近い色味になるまで、念入りにインクを調合してもらったのです。
ただし、バラ付きの生じやすい再生紙に廃インク、という難易度の高い組み合わせゆえ、なかなかひと筋縄ではいかず、広報チームのみんなで現場まで足を運んで、印刷所のご担当者と慎重に打ち合わせ&試刷りを重ねました。
と、こんなふうにさまざまな関係者の知恵とご協力をいただけたことで、シンプルだけどインパクトのあるパンフレットに仕上がりました。
「つなげられるロゴ」というアイデアにより、複数のパンフをつなぐことができるため、イベント時には大型看板にも早変わり。
この看板を街で見かけたら、「あ、三の丸APが何かやっているな!」と思ってくださいね。
次回以降は、三の丸APの各フライヤーについて、改めてブログでご紹介します(äwö)。
松本城を取り囲む三の丸エリア。そこを主な舞台とする「三の丸エリアプラットフォーム(以下、三の丸AP)」は、松本市が策定した「松本城三の丸エリアビジョン」を実現するための地元・民間主体の組織です。
今年度は、松本城三の丸エリアの10の界隈で各メンバー(事業会員)がさまざまなプロジェクトを実施しているのですが、三の丸APはそのサポートを多方面から行っています。
で、その三の丸APのロゴマークを、あをぐみがデザインしました。
フライヤーやチラシなどで目にした方もいるかもしれませんが、こちらです。
“三の丸”は本来同心円ですが、あえてマルを並列にしています。
そのほかにもパーツそれぞれに意味や想いはあるのですが、三の丸APの合言葉は“誰かに語りたくなる暮らし”。その合言葉にならって、ロゴを見た人たちが「独自解釈ができ、それを誰かに話したくなるカタチ」を念頭にデザインしました。
明日11月24日には、三の丸エリアに移転オープンしたばかりの松本市立博物館で、「公開レポート&フィードバック」を開催します。
こちらは、6つの界隈での社会実験の結果をプロジェクトのメンバーが発表し、より良い活動へと発展させていくためのフィードバックや意見交換を行う機会です。どなたでも参加可能なので、ぜひのぞきにきてください。
あをぐみは、このロゴにとどまらず、三の丸APのパンフレットや各社会実験のフライヤーなど、横断的にデザインを担当させていただいています。
次回のブログでは、パンフレットのデザインをご紹介します。(äwö)
劇団「シアターランポン」初の本公演となる『屋根裏のバラエテ』が、昨日から特設の「ランポンシアター」で上演中です。
あをぐみもさっそく観に行ってきました。
断片的なお話が断片的に展開していき……あまりいうとネタバレになってしまうのですが……あっと鮮やかな着地を見せる。
その着地の見事さはいうまでもありませんが、帰り道に頭の中で反芻してくるのは、断片だった話のキラキラした断片的夢心地感だったりしました。自分の若い頃のアホな記憶や思い出がそこに重なって見えてきたりして。
こういう甘い胸熱感、ぜひ多くの人に見て・体験していただきたい! と思いました。
というわけで、このブログの写真を見せて当日券をお買い求めくださった方には、割引がございます。受付でご提示のうえ、夢のひとときをお過ごしください。
あをぐみöがカーサブルータスのウェブで告知記事を執筆した「山梨国際芸術祭」が本日11月5日から開催されています。
記事でも紹介した吉野祥太郎さんのこの作品、プラン通りに再現されていてびっくりしましたが、実際に見るとすごい迫力。土塊が発するえもいわれぬ神々しさに、しばし呆然とします。ルオーの礼拝堂に置かれていることもまた、作品の神力を増幅させているに違いない。
*写真はすべて主催者の許可を得て撮影・掲載しています
同じく「清春芸術村」の敷地内にある「光の美術館」では、今やニュースのコメンテーターとしても有名な落合陽一さんの個展が開催中。
建物の外にいても振動音が感じられるほど迫力のサウンド効果も、ぜひ現地で体感してみてください。
「清春芸術村」は駐車場でさえも気が抜けない。そこにもしれっと作品があるからね。
知らずに見ると一瞬ぎょっとする、磯崎隼士さんの作品。
芸術祭は同じ北杜市の「GASBON METABOLISM」でも開催されています。
こちらはオーガミノリさんの 「痕跡」。
上記2会場以外にも作品展示があるので、詳しくはカーサウェブをご覧ください。
そうそう、öは同じカーサウェブで京都の『AMBIENT KYOTO』をレポートもしています。
こちらも合わせてお読みくださるとうれしいです。(ö)
松本市を拠点に活動をはじめたあたらしい劇団「シアターランポン/theatre LAMPON」のロゴ・デザインを、あをぐみが担当させていただきました。
ロゴは、劇団を象徴する大切な存在です。さらには、これから彼らに興味をもち、応援してくださる未来のファンのアイコンにもなるし、もっと言えば、シアターランポンといっしょに松本の演劇を盛りあげるムーブメントの旗印にもなりえる……。つまり、劇団をめぐるたくさんの人の”北極星”たる存在なわけです。それをデザインするなんて、たいへん光栄なこと。あをぐみも気合いが入リました。
メンバーに集まってもらい、松本に軸足を置いて演劇を続けていく理由など、あれこれヒアリング。そのなかで、彼らの演劇に対するまっすぐな想いと、そうは言ってもどこかふざけたいという子どもみたいな気持ちなど、独特のセンス&ユーモアをビシビシ感じました。そんなこんなを大事にもち帰り、あーでもないこーでもないと模索して、このロゴのデザインに至ったわけです。
彼らのサイトに、あをぐみによるロゴについてのことばも掲載されていますので、興味がある方はそちらにも目を通していただければさいわいです。
今後のシアターランポンの活躍、と〜っても楽しみです。(äwö)
先日、東京美術刊のローランサン本についてお知らせしましたが、現在、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは、ローランサンと同時代のパリモードにフォーカスした展覧会が開催中です。
書籍でも紹介した作品もたくさん出ていますが、本物を近距離で見られる感慨〜。繊細さと大胆さが同居する筆致にマリーの人柄をみたり。
展覧会には、当時のパリモードがどんな人たちに牽引されていたかなど、興味深い資料も多々見られます。同じくあをぐみが手がけた東京美術刊のシャネル本に詳細が記されていますが、ギャルソンヌと呼ばれる颯爽とした女性たちが、人々を街をそして社会を振り向かせていた時代。
マリーもまたファッションに大いに興味があった人で、シャネルの店の顧客だったし、“モードのスルタン(王様)”と呼ばれたポール・ポワレの妹(彼女もデザイナー)は大親友。自身でバレエの衣装デザインもしました(これがまた、見事に絵画作品のイメージどおり)。
初日には『もっとローランサン』本の著者で、マリー・ローランサン美術館館長の吉澤さん(中央)が、マリーの紹介をしていました。奥にいらっしゃるのは、同展のファッション監修をした成実弘至さん。お二人の話が相互に補い合い、当時のパリが立体的に見えてきた気がします。
そうそう、ミュージアムショップではカタログとともに、我らが『もっとローランサン』も販売されています。
おー、『もっとシャネル』もある。
この展覧会がおわると、Bunkamura ザ・ミュージアムは長期休館に入ります。もうすでに東急百貨店本店もクローズしていたし、これでまた渋谷の街並みが変わることになるわけです。楽しみなような寂しいような。
会期は4月9日まで。(ö)
追記:あの人もローランサン展、応援してくれているみたいです。
あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『もっと知りたいローランサン』(東京美術刊)が発売中です。
昨年担当した『もっと知りたいシャネルと20世紀モード』に続いて、シャネルと同じ年に生まれ、同じ街(パリ)で大きく活躍した女性画家、ローランサンを手掛けることができたのは、とても幸運でした。ここのところ、20世紀はじめに活躍した女性たちが取りあげられる機会が増えているのは、「いま、この時代だからこそ」の大きな流れがあるように感じます。
ふわっとした印象の絵が多いので、ほっこりした画家のように思われていそうですが、彼女の言動を紐解くとむしろ「カッコいい!」とさえ感じます。そして同時にユーモアにもあふれてる。
同時代や後進の画家、作家たちに大きな影響を与えたのは、その独特な絵画表現によるものだけではなく、ローランサン自身の人柄も大きいのかも。
現在、東京・Bunkamura では「マリー・ローランサンとモード 」展も開催中。本書をガイドブックとして携えつつ足を運んで、彼女の絵とその時代の空気をも、楽しんでみてはいかがでしょう。(äwö)
松本市内で現在開催中の「マツモト建築芸術祭2023」(〜2月26日)。
あをぐみöが取材した記事がウェブ版のカーサブルータスで見られるので、ぜひご覧ください。
記事では紹介していない“追記”を少々こちらにて。
各作家さんの作品が見どころなのはもちろんですが、その器たる建築そのものの解像度が、作品が入ることで高まること……それもこの芸術祭の真骨頂かと思いました。
たとえば、記事でもご紹介した〈割烹 松本館〉 。
その大広間は、何も展示されていなくてもしつらえだけで圧巻なのですが、福井江太郎のダチョウが入ったことで、天井の鶴までもが生命感をもって迫ってくる。鳥同士で呼び合っているんですかねえ。
展示とはカンケーないけど、1階には「節分」のディスプレイがされていて、それもまた楽しく目を引きました。季節感を大事にする料亭の心くばりが素敵です。
こちらはもともと洋裁店だった六九町の〈旧油三洋裁店〉で見られる、ヨーガン・アクセルバル + amachi.の展示。
廃墟同然だった建てものの解像度が展示でググッとあがり、止まっていた物語が息を吹き返したように思えます。
洋裁店だった頃の名残が、いい感じに展示内容とつながっているし。
こちらは記事では紹介していませんが、止まっていた物語が今とつながる例として、〈上土シネマ〉での河合政之さんの展示もいい。
写真は本人パフォーマンスのものですが、通常の展示では、2階のスクリーンに色と音だけの映像が延々と流れています。
作家本人の意図とは違うöの個人的見解ですが、ボーッと色だけの映像をみていると、この映画館が閉館までずっと流してきた歴代の映画が渾然と凝縮して流れているかのような錯覚にとらわれ、ちょっと感傷的にもなりました。
芸術祭の会期も半ばになってきました。
まだご覧になっていない方はぜひお出かけください。(ö)
去る2022年11月、松本城の東に位置する「裏町」でイベントがあり、そのフライヤーなどをあをぐみがデザインしました。
「裏町」。どこか怪しげなネーミングですが、さかのぼると江戸時代にはこのエリア、すでにこの名で呼ばれているのです。歴史を紐解くと長くなるので省略しますが、数年前まで飲み屋街だったこの街も、今やシャッター街。そんな裏町を盛りあげようと開かれたのが、今回のイベント「うらまち探検プロジェクト」です。
フライヤーをデザインするにあたって、イベントの内容はもちろんですが、かつての裏町、そしていまの裏町についてもリサーチ。界隈を昔から知るあをぐみ ö にもヒアリングしました。
その話しを聞きながら、頭のなかにある音楽が流れ出しました。シュガーベイブの「DOWN TOWN」……いや、「オレたちひょうきん族」のエンディング曲、というのが正しいですね。こどもの自分には、あの曲を聴くと土曜日が終わってしまうさびしさがありましたが、裏町がキラキラしていた当時、大人たちはこの曲が流れる頃「さあ、夜はこれから!」と、うきうき出かけていったんだろうな、と。
そんな裏町のキラキラ感を終わらせないと奮闘している大人たちによる、今回のイベント。大人の街だった裏町ですが、今は子どもたちや若者も一緒にうきうき出かける町を目指したいところ。それならこのイベントにどんな面構え(デザイン)を与えるべきか……など、あーだこーだ考えた結果、このチラシのデザインにたどり着きました。
さてイベント当日、プログラムのひとつだった「空きビル探検ツアー」が思いのほか人気で、物件を借りたいという本気の人から、昭和のスナックの雰囲気を見てみたいという人まで、たくさんの申込者が集まり、関係者も大喜びでした。これをきっかけに、街が少しずつドライブしていくといいなあと思います。(äwö)
あをぐみがデザインを担当した『さんかくで いえを つくろう』(かがくのとも 2023年2月号 福音館書店刊)が発売中です。
「かがくのとも」や「こどものとも」……。こどものころから今に至るまで大事に手元に置いてあるのもあるほど、慣れ親しんだシリーズです。その絵本シリーズのデザインができるなんて! とても刺激的で、なにより感慨深くもありました。
著者は堀川 理万子さん。デザインに取り掛かる前にそのアトリエにお邪魔し、「さんかく」のつくり方を楽しく教わってきました(ちょっとネタ明かしをすると、この「さんかく」、新聞紙でつくるんです)。あをぐみ事務所に戻ってからも、せっせと「さんかく」で「いえ」をつくり、その感覚や気持ちがデザインに生きるように心がけました。
デザインについて話したいことは山ほどあるけど、なんだか野暮な気がしてきたのでやめます。ぜひ本書を手に取って、“読む”と“つくる”の両方を楽しんでいただければうれしいです。
余談ですが、著者の堀川さん、つい先日NHK Eテレの番組にご出演され、愛読してきた本についてお話しされていました。本と絵をしみじみ愛する堀川さんだからこそ、こういう絵本が生まれるんだなあ。(ä)