2023-01-28

うらまち探検プロジェクト

去る2022年11月、松本城の東に位置する「裏町」でイベントがあり、そのフライヤーなどをあをぐみがデザインしました。



「裏町」。どこか怪しげなネーミングですが、さかのぼると江戸時代にはこのエリア、すでにこの名で呼ばれているのです。歴史を紐解くと長くなるので省略しますが、数年前まで飲み屋街だったこの街も、今やシャッター街。そんな裏町を盛りあげようと開かれたのが、今回のイベント「うらまち探検プロジェクト」です。


フライヤーをデザインするにあたって、イベントの内容はもちろんですが、かつての裏町、そしていまの裏町についてもリサーチ。界隈を昔から知るあをぐみ ö にもヒアリングしました。

その話しを聞きながら、頭のなかにある音楽が流れ出しました。シュガーベイブの「DOWN TOWN」……いや、「オレたちひょうきん族」のエンディング曲、というのが正しいですね。こどもの自分には、あの曲を聴くと土曜日が終わってしまうさびしさがありましたが、裏町がキラキラしていた当時、大人たちはこの曲が流れる頃「さあ、夜はこれから!」と、うきうき出かけていったんだろうな、と。


そんな裏町のキラキラ感を終わらせないと奮闘している大人たちによる、今回のイベント。大人の街だった裏町ですが、今は子どもたちや若者も一緒にうきうき出かける町を目指したいところ。それならこのイベントにどんな面構え(デザイン)を与えるべきか……など、あーだこーだ考えた結果、このチラシのデザインにたどり着きました。


さてイベント当日、プログラムのひとつだった「空きビル探検ツアー」が思いのほか人気で、物件を借りたいという本気の人から、昭和のスナックの雰囲気を見てみたいという人まで、たくさんの申込者が集まり、関係者も大喜びでした。これをきっかけに、街が少しずつドライブしていくといいなあと思います。(äwö)

2023-01-25

『さんかくで いえを つくろう』

 あをぐみがデザインを担当した『さんかくで いえを つくろう』(かがくのとも 2023年2月号 福音館書店刊)が発売中です。



「かがくのとも」や「こどものとも」……。こどものころから今に至るまで大事に手元に置いてあるのもあるほど、慣れ親しんだシリーズです。その絵本シリーズのデザインができるなんて! とても刺激的で、なにより感慨深くもありました。


著者は堀川 理万子さん。デザインに取り掛かる前にそのアトリエにお邪魔し、「さんかく」のつくり方を楽しく教わってきました(ちょっとネタ明かしをすると、この「さんかく」、新聞紙でつくるんです)。あをぐみ事務所に戻ってからも、せっせと「さんかく」で「いえ」をつくり、その感覚や気持ちがデザインに生きるように心がけました。


デザインについて話したいことは山ほどあるけど、なんだか野暮な気がしてきたのでやめます。ぜひ本書を手に取って、“読む”と“つくる”の両方を楽しんでいただければうれしいです。


余談ですが、著者の堀川さん、つい先日NHK Eテレの番組にご出演され、愛読してきた本についてお話しされていました。本と絵をしみじみ愛する堀川さんだからこそ、こういう絵本が生まれるんだなあ。(ä)