2026-04-09

絵本と子どもと歩いた日々

あをぐみがデザインを担当した山脇百合子さんのエッセイ集、『絵本と子どもと歩いた日々』(のら書店)をご紹介します。


『ぐりとぐら』と耳にしたら、ほとんどの人が思い浮かべることのできる、あの双子の野ねずみの絵。

日本人なら一度は読んだことがあるのではないかと思うほど、ロングセラーの愛され絵本です。

中川李枝子さんが文章を、そして山脇百合子さんが絵をご担当されたこの絵本シリーズを、大人になってもなお大事にされてる方はたくさんいると思います。

かくいうäも幼少期からずーーーっと、手元にもち続けています。


誰もが知るこのシリーズを手がけた山脇さんの本のデザインを担当できるなんて、とっても光栄なこと。

これでもか!というくらい、ふんだんにイラストを掲載しましたので、パラパラ眺めるだけでも楽しい気分になれます。

本をぱっと開いて、気になったイラストのページから読むなんてこともできるのが、ショートエッセイを集めたこの本のいいところ。

『ぐりとぐら』の絵の誕生秘話など、なるほど!なるほど!!な秘話も読めたりします。


のら書店さんにお伺いして、原画をたくさん拝見しながら掲載イラストを選ぶという役得もあったりして、デザインしてるあいだ、ずっと幸せな気分でした。その幸福感が、デザインにぜんぶ出てると思います。


中川さん・山脇さんのファンだけでなく、絵本作家を目指そうとされている方から子育て真っ最中の方まで、多くの人に楽しんでいただけるすてきな一冊となりました。(ä)

2026-03-20

旧山辺学校校舎のリーフレット

あをぐみがデザインを担当した「旧山辺学校校舎」のリーフレットをご紹介します。


旧山辺学校校舎は、現在・国宝の「開智学校」をモデルとして1885年に松本市里山辺に建てられ、修復されながら今なおその姿を残しています。長野県宝に指定されており、松本市立博物館の分館としても機能。建物の特徴や当時の学校教育、山辺地区の暮らしや産業がわかる資料などが展示され、楽しく学べる施設です。

実は、リーフレットのリニューアルを依頼されるまで、はずかしながら「旧山辺学校校舎」のことをほぼ知りませんでした。


そのため、デザインするにあたって早速うかがったのですが、ちょうど梅や桜が見ごろの時期。うっすらとピンク色に染まる校舎が、入学や卒業の思い出を蘇らせてくれました。
校舎を案内していただいて印象深かったものが「黌(まなびや)」の文字をあしらった瓦。
そのとき感じた気持ちや想いをデザインやグラフィックにうまく生かせたと思います。

松本の中心から少しはなれた場所だけに、佇まいにも落ち着きがあり、時間がゆるやかに流れるような感覚にひたれます。
たくさんの人の思い出や思い入れが宿る古い学校ですごすひとときは、とても気持ちがいいもの。眺める山並みも美しく、個人的にもお気に入りの場所となりました。(ä)

2026-03-14

シアターランポンのテリヤキ

あをぐみがロゴをデザインした松本の「シアターランポン」。


彼らの新作『テリヤキ』が、2026年3月16日まで上演されていて、あをぐみも観劇してきました。そして、「テリヤキ」美味しかったから、おかわりしちゃいました。

というのも今回は、キャスト違いの「A」と「B」という出演者がガラリと変わるユニークな趣向があったのです。これはもう両方とも観るしかないでしょう。


演劇のWキャストって、理想とする完成形「A」をいつどこでもどんな状況でも安定して上演できるように、完成形「A」に限りなく近い「A’」を複数用意するのが、演劇システムとしての常套なのかな、と思ってました。(万が一のため主役に代役をたてる、とか)。


そのシステムを逆手にとったのか、今回の『テリヤキ』ではキャストによって演出やセリフがところどころ変えてある。

それによって「A’」というよりは、「A」と「B」という似たようで違う2つの世界があるように感じました。

「A」と「B」は平行世界なのかもしれない・・・というような。


最終的に、会場を茅野市に移しての「C」も用意されてるから、「C」の平行世界が「A」と「B」なのか、はたまたすべてが平行世界で本当の世界はお芝居の外にあるのか・・・そんな妄想が膨らんだりして、いやいや考えすぎか。


細かいことは考えずとも、ただただ身をゆだねてバクショーして「ああ、たのしかった」と満腹になって家路につけるような『テリヤキ』です。


松本にある「ランポンシアター」での残りの公演には売り切れ回もあるようですが、3月28、29日に茅野市民館マルチホールで「C」キャストの公演があります。


見逃した方、まだまだ「テリヤキ」食べ尽くしたい方は、そちらへも足を運んでみては。

そのさいには、あをぐみがお手伝いした新作グッズもご覧いただき、購入していただけるとうれしいです。ランポンの若手が考案した、なかなかに魅力的なグッズ。自分たちでデザインしたくせに、つい欲しくなっちゃうものが多々でした。(äwö)




2026-03-10

ゴリラのはなくそ

あをぐみがデザインを担当した絵本、『ゴリラのはなくそ』(あすなろ書房)をご紹介します。

文章、たなかなおとさん。絵、ほりかわりまこさん。



ある日のこと、一通のメールがやってきました。 


「ゴリラのはなくそのデザインをお願いしたい」。

え? どーいうこと?!?!?!?!?!?!?!


まったく内容が想像できない依頼でしたから、おもしろいに決まってる。

見逃す手なんてありません。二つ返事で仲間に加えていただきました。


実はこれ、読み聞かせを前提にした絵本なのです。


そのため、読むだけでなく「聞かせる」ことをいつも以上に意識してデザインをしています。

余白をとってスッキリさせつつも、単調にはならないような変化をつけたり。

そして最大の難関は「品のあるはなくそ」に仕上げること!

あーでもない、こーでもない、たしたりひいたり、みんなでアイデアを出しあって、ようやくできあがりました、『ゴリラのはなくそ』。


どんな絵本になったのか…… 書店で見つけたら、はずかしがらず、まずはぜひタイトルを声を出して読んでみてください。(ä)

2026-03-09

松本献血ルームのグラフィック

もともと旧松本パルコのど真ん前にあった長野県赤十字血液センター・松本献血ルーム

2025年11月に、すぐ裏手となる五幸セントラルパーキングプラザビル1階へと移転しました。


その新ルーム内部の壁面と天井のグラフィック・デザインを、あをぐみが担当しました。

松本から見える山並みを忠実に再現しつつ、献血の間の時間を少しでもリラックスしていただくべく、デザインとして軽やかに仕上げています。


特にトイレに至る廊下の壁面には、ちょっとした仕掛けも施されていますので、献血ついでに天井と壁面にも注目いただけるとうれしいです。(äwö)

2026-02-28

別冊太陽 新版 太宰治

かれこれ17年も前になりますが、生誕100年の節目に別冊太陽『太宰治』が発売されました。

そのエディトリアルデザインは ä が担当していたのですが、当時「あをぐみ」はまだ設立されておらず、ä は松本ではなく東京暮らしでした。


で、この2026年。新たに発見された「雀」の原稿などを加えて再編集した『新版 太宰治』(別冊太陽 日本のこころ 330/平凡社刊)が発行されたのですが、そのエディトリアルデザインは、あをぐみとしての ä が担当しております。


17年前の自分と共同作業するのは、何とも不思議な気分……。


新たな発見もあれば、太宰ゆかりの三鷹の跨線人道橋のように、今は失われてしまったものもあります。

今回の誌面では、17年前に撮影していただいたその橋の写真を、目次に印象的にあしらいました。

ちなみに人道橋は一部が記念碑的に保存されることとなり、ポケットスペースなる場所に整備されていくようです。


太宰ファンもこれから太宰治を知る方も、本書をナビとしてより深く太宰とその作品世界をお楽しみいただければうれしいです。(ä)