「ニッポン春画百科」(平凡社刊)上・下巻が同時発売されました。
帯のキャッチコピーにもあるように、
上下巻合わせて1000点以上の作品が掲載されており、
著者で、コレクターでもあるシャガン氏の情熱が
この量にあらわれていると思います。
あをぐみの仕事でも異色となるかもしれない「春画」。
デザインしてみて、一般的なイメージ(=隠微&背徳の芸術)とは
少し違うんだなぁと気づきました。
確かに刺激の強い画もありますが、
とにかくユーモラスで笑わせてくれるものが多い。
行水をのぞき込もうとしてたらいに落ちるようなギャグっぽいシーンから、
想像もつかないようなへんてこなキャラクターの登場や
仕掛けが凝らされた作品など、悪乗りにも見えるような勢いで、
どんどんバリエーションが増やされています。
デザインにとりかかりはじめた頃は、
性をめぐる滑稽なドラマは、昔も今も変わらないんだなぁ、
なんて思っていましたが、いやいや、このおおらかな空気感は
現代では失われつつあるのかも・・・と思うようになりました。
見応え充分の「ニッポン春画百科」ぜひご高覧を。
書店での立ち読みは勇気がいるかもしれませんが。(Ä)