2013-08-29

よるのびょういん

先日のブログで絵本について書いたことで、
「そういえばこんな本があった」と思い出した一冊があります。


『よるのびょういん』 谷川俊太郎・作 長野重一・写真 
福音館書店の月間予約絵本《こどものとも》282号

毎月届くのを楽しみにしていた絵本シリーズの中の一冊。
1979年発行なので、当時のあをぐみÄは6歳くらいでしょうか。
この一冊に関しては特に、
こども向けというイメージからかけ離れたシャープな表紙ですよね。

同じ「こどものとも」シリーズの中には、
『ぐりとぐら』などのかわいらしい本もたくさんありました。
でもそれと同じあつかいでこの表紙を受け取ったわけですから、
当時、インパクトはとてつもなく大きかった。
物語も冒頭からすごい緊張感ではじまります。

この絵本は、“トラウマ”というと大袈裟ですが
あをぐみÄの人間形成に少なからず影響してるかも。
成長してこの絵本の存在を忘れてからも
無意識でいろいろな影響を受けている気がしてるんです。

まず大きな発見としては、
絵本は絵で表現された楽しいものだけとは限らない、ということ。

それに、子どものころって図鑑以外に写真集に触れる機会は少ないもの。
だからこそ絵本でもあり写真集でもあるこの本に触れたインパクトも
かなり大きなものでした。
前編モノクロ写真が使われたこの本によって、
「写真はカラーではないからといって表現力が落ちるわけではない」など、
いろいろと気づかされましたからね〜。

以上はデザイナーという立場に影響を与えたことですが、
仕事モードから離れても、こんなことがあります。

それは僕のぶどう嫌い。

帰省するたび、母親に「ぶどうが嫌いだったよね」と
自分だけ違う果物を用意されることが多かったのですが
なんでぶどうが嫌いなのか自分でもわからなかったんですよね。
平気になったのは、ここ数年。ワインを飲むようになってからです。

ところが、久しぶりにこの『よるのびょういん』を読み返してみたら
ぶどうが嫌いになった原因はこの本だったんだと確信しました。

どうしてぶどう嫌いになったのか……
それはこの本を読めばおわかりいただけます、きっと。
あをぐみショールームでスタッフに声をかけていただければ
喜んでお見せしますのでぜひ。

あ、そうそう、都合により本日、
ショールームは17時でクローズします。
明日以降は通常通り営業しております。(Ä)