デザインには、
今日生まれた新しいものを明日には“古いもの”へと追いやって、
消費を加速させる、という役割もあるかと思います。
そのためには、
時代の気分をデザインに封じ込めることも大事ですが
他方で、視線を少し先に移し、
耐久力や持続力を意識することも、同じように大切です
(いわゆるロングライフデザインってやつですね)。
身の回りを見渡したり、
自分のやってきた仕事を振り返ると、
“結果的にシンプルになった”というデザインには、
持続力や耐久力をもったものが多いと感じます。
そしてこの「結果的に」という部分が重要な気が……。
ええと、前ふりが長くなっちゃいましたが、
2007年に手掛けた仕事のひとつが、再発売されました。
ドキュメンタリー映画『ドミトリー・ショスタコーヴィチ ヴィオラ・ソナタ』の
DVDパッケージのデザインです。発売元は日本コロムビア。
再発にあたって若干の仕様変更はしましたが、
もともとシンプルで少しレトロな雰囲気にしていたので、
時代の気分にあわせてつくり直さずに済みました。
つまり結果として、“持久力+耐久力のあるデザイン”となったわけです。
DVDパッケージも
書籍と同じく、デザインすべき要素が多いので、
仕事するのが楽しいです。(Ä)