あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『小原古邨 花咲き鳥歌う紙上の楽園』(東京美術刊)が発売中です。
この書籍は、東京・原宿の太田記念美術館で3月24日まで開催されている「小原古邨」展の展覧会カタログも兼ねています。
古邨の版画(浮世絵)のモチーフの多くは鳥。この本をデザインしはじめると、窓越しや街なかで見かける鳥が、以前にもまして気になるようになりました。スズメやムクドリと思っていた鳥が、よくよく見るとまったく違っていたりして、見ているようでぜんぜん観ていなかったんだなあと、つくづく気がつかされます。取り壊されて今はなくなってしまった旧あをぐみ社屋のに庭の木にも、メジロがよく来ていたっけ。
……と気になるようになったのには理由があって、実はこの古邨本、鳥によりフォーカスしたいという意図で、ちょっとばかり鳥類図鑑にも近いつくりを意識しつつ編集しているのです。描かれた鳥の学名とか特徴もわかるので、鳥好きもぜひご一読を。
鳥を見る目を養うのはもちろん(笑)、浮世絵表現の先鋭さや繊細さにも気づかされる一冊。書店などで見かけた際はお手にとってご覧ください。そういえば古邨についての番組が、Eテレ「日曜美術館」で来週末に再放送されます。合わせてそちらもご覧いただくと、さらに古邨がよくわかるかもしれません。(äwö)