2019-02-10

まつもと車椅子マップ

「世界健康首都会議」という世界的なイベントが、毎年松本で行われていることをご存知でしょうか? 

世界各国から識者が集まり、活動や研究の成果発表をしたり、セミナーや勉強会を開く2日間のイベントですが、その首都会議関連事業のひとつに、ここ4、5年続けて活動してきた「健康先進都市ゼミナール」があります。

そのゼミでは毎年、松本市民はもちろん、経済産業省の職員や大手広告代理店社員などが参加してワークショップを開催。「暮らすだけで健康になる街」があるのか、あるとしたらどういう街なのかなどを、班ごとにさまざまな切り口で考えてきました。

とはいえ、これまでは具体的な政策や成果物に結びついてこなかったため、今回こそは何か形に仕上げようと試行錯誤。その結果ひとつの班が、車椅子の人でも楽しく街を回れる「街歩きマップ」を企画し、その実現に向け、車椅子ユーザーやベビーカーのお母さんも含めたさまざまな人とともに、街歩きを重ねるなどしてきました。

そうしてできた成果物がこちらのマップです。




表紙をご覧になってわかるとおり、車椅子ユーザーでも街歩きが楽しめるという意図に沿ってつくられたマップで、デザインはあをぐみが担当しました。

A面は松本駅から歩いて楽しめる範囲を網羅したマップ。裏では、その制作のために行った街歩きの様子などをレポートしています。今なら観光案内所などで手に入るので、気になった方はぜひ問い合わせてみてください。

なお、あをぐみはデザインも担当しましたが、実はその立案から参加。ワークショップのファシリテーターもさせていただきました。この企画の原風景となっているのは、あをぐみがかつてオランダ・アムステルダムで見かけた、楽しそうにレコードショップでひとりレコードを探している車椅子ユーザーの若者の姿です。日本では車椅子の人が一人で出かけているところをほとんど見たことがなかったので、あれはうれしいショックでした。その風景がこのマップの原点なのです。

歩いて楽しい松本。せっかくなのでどんな人も街歩きをもっと楽しみましょう。……今は寒いけど。(äwö)