2019-01-29

二子小学校 開校40周年記念のシンボルマーク その5

ここからは、あをぐみが具体的にデザインを進めていく作業の時間です。

まずは、グリッドのマスに生徒のマークをひとつひとつ丁寧に並べる作業からスタート。具体的な仕上がりの形を探る前に、こうして全体のボリューム感を把握しておきます。並べたマークを眺めながら、アイデア・シートも確認しつつ、「大きなシンボルマーク」はどんな形になるべきかと喧々囂々。あをぐみ2人の話し合いが続きます。誰も想像しなかった突飛なものをつくるべきか、どうしたらみんながビックリするか、それはみんなに愛されるものになるのか・・・などなど。

このお話をいただいた直後の段階では「誰も想像しなかったもので度肝を抜きたい」という、ちょっとエゴな気持ちがふつふつと湧き上がっていたのですが、みんなのシートに目を通して心が揺さぶられたことで、大きく心変わりしました。

みんなのマークに素直に寄り添おうと思ったとき、立ちあがってきた形はやはり「船」でした。校舎がその形だからといって、「船」にとらわれる必要は、もちろんありません。何より「船」のデザインだと、”予想どおり!”と思われてしまうかもしれない。でも今回ばかりは余計な気持ちは捨て、素直に「船」のデザインでいくべきという結論に至りました。生徒の考えた多彩なマークに敬意をいだいて向き合った結果です。

そんな試行錯誤の成果でデザインの方向性が決まったので、今度は具体的な形を探しながらマークを並べる作業に。ここで、生徒のマーク「ひとつひとつがくっきりと目立つ」ための額縁のような要素と、マーク同士を「手をつなぐよう」に結びつける要素が必要だ、と気がつきました。

この段階でブログ【その3】で紹介した「山波」のデザインが活きることになります。生徒のマークの四隅にこれを配することで、額縁のようにもなるし、マーク同士を結びつけ「大きなシンボルマーク」にするための要素の一つにもなりました。


そうしてできあがった「二子小学校 開校40周年記念のシンボルマーク」がこちら。この船に乗り込んだ生徒みんなが、大きな波もぐいぐいと乗り越えて未来へと進んでほしい。そんな想いも込めました。


このシンボルマークは最終的に、10月に行われた記念式典で記念幕として披露されました。生徒の原画も廊下などに展示され、各学年ごとの作品を掲載した冊子も作成されて配られています。

あ、そうそう。ブログ【その2】で、全生徒「284(+1)」とご紹介しましたが、(+1)てなんだ? と思われた人がいるかもしれません。実はチャーミングな先生がひとり、マークをこっそり紛れ込ませて提出していたのです。あをぐみはすぐに気づきましたが、さてさてどのマークだったんでしょう。

1年近くにわたったこの二子小プロジェクトについては、MGプレスでも記事にしていただきました。そちらも目を通していただけるとうれしいです。

二子小学校のみなさん、開校40周おめでとうございます。
そして、ありがとうございました。(äwö)