先に書いたようなシンボルマークの方向性と平行して考えていたのが、集まったマークをどうやって一つにまとめるのかという、いわば“システム”の問題でした。
デザインは、自由気ままに線を引いて完成させることも可能ですが、システムを考え、条件に当てはめて造形を設計していくことでもあります。子ども向けだしお絵描きのようにフリーハンドで仕上げるのも楽しいかもしれませんが、それよりはむしろ、あをぐみが普段手がけている仕事……店舗や企業のロゴやマークをデザインなど……と同じように、グリッドをきちんと設計し、タイル画やモザイク画のような構造にすること。そのやり方の方が、生徒一人一人がつくったマークの魅力をより引き出せるだろうという考えに至りました。
加えて、仕上がったシンボルマークを見る低学年の子の背丈も考慮すると、タテ(上)に伸びていくものよりも、重心が低くヨコに広がるような形の方が望ましいということも予測できる。そして生徒数=マークの数なので、おのずと使えるグリッドのマス数も決まってくるし、そうなれば余白(使わないマス、またはマスひとつひとつの大きさ)をどのくらいに設計するとバランスがいいのかなど、さまざまな条件がカチリとピースをはめるように見えてきます。
こうして、だんだんとデザインの条件が揃ってくる頃、全校生徒の「考えたマークとその理由が書かれたシート」、3年生以上の「マークを考えるためのアイデア・シート」、さらに5、6年生の「40年前の過去、40年後の未来について想像したシート」という生徒WSの成果も揃いました。
デザインにとりかかる前、みんなのシート1枚1枚に目を通すのですが、そこには笑いあり、胸にぐっとくるものあり……一人一人が考えた小さなマークに込められた想いに、あをぐみ2人は大きく心を揺さぶられました。つくづく、素敵な良い機会をいただけたことに感謝です。
いや、まだデザインは終わっていないのだ。これからがあをぐみの勝負! ……というわけでブログも続きます。(äwö)