訃報を知ったのは、10月27日の早朝、新聞で。
その日は東京出張でしたが、
翌日には千葉市美術館ではじまる
「赤瀬川原平の芸術原論」展へ出かけてから松本へ帰る予定でした。
出張直前のバタバタした時間にその記事を目にして、
何が起きたのか理解できず軽くパニックになりました。
「え? 展覧会の紹介記事じゃないんだよね……」と。
気持ちを整理しきれないまま、28日に千葉市美術館へ。
展覧会では“芸術家・赤瀬川原平”の多岐にわたる活動に圧倒されます。
くすっと笑えるような作品もあるから、笑ったり、ドキッと考えさせられたり
ふと気をぬくと泣きそうになったりと、なんだか情緒不安定気味のÄ。
展示の後半では“作家・赤瀬川原平(尾辻克彦)”の仕事紹介コーナーも。
つまりそこには著書も展示されているのです。
美術家でもないÄが手がけた本の装丁が
美術館の展示ケース内に飾られているのは、
これが最初で最後になるんじゃないかな……。
それを目にしたとき、込み上げてくるものをこらえるのがつらかった。
赤瀬川さんに実際にお会いしたのは、両手で数えられるくらい。
ほんのわずかな回数です。
でも、僕は、赤瀬川さんを一生忘れることはないでしょう。
赤瀬川さん、最後の最後までありがとうございました。(Ä)