世の中には、スピーディな対応が必要なことも多々あるけれど、
ゆっくり長く進めることに意義のある事項もた~くさんあります。
ものづくりでも、
「迅速・丁寧・格安」がモットー3点セットの大量生産型と
「伝統・技・唯一無二性」で成り立つ工芸などの手作業型という、
大きなふたつの型が浮かびあがってくるのはそういうことか。
もちろん、細かく見ればつくり手の数だけ型はあるわけで、
いよいよものづくりに足(どころか全身)をつっこんだあをぐみも、
そうした微細な型のひとつをつくりあげようと、日々画策しているわけです。
あをぐみが目指すのは、近江商人的ものづくり。
いわゆる「三方よし」というやつです。
三方とは「つくり手」と「世間(買ってくださる人)」
そして「売り手」である我々。
つまり関わるみんなが満足するものづくりですね。
とはいえ、弱小企業あをぐみには
つくり手を満足させるほどの工賃支払能力は、残念ながらありません
(断言するなよ、と自分でもつっこみたくなるが)。
では、何をもって“満足”としてもらうか……。
それは、せめてもの「つながる悦び」でしょうか。
自分がつくったものを誰かが使い、喜んでもらえる。
それだけでその誰かとつながった気がして、心がホワッとなります。
そういうつながりがいっぱいできれば、
大げさかもしれないけど「生きる充足」になっていくんじゃないかなあと、
自らの来し方を振り返って思うのです。
あをぐみは、例えばバッグひとつにしても、工場に丸投げではなく、
個人(あるいは小規模の集団)に縫っていただいています。
そのほうが、つくり手の“つくる楽しさ”と寄り添えてこちらも楽しくなるし、
つくり手にとっても、どんな人が買ってくれるかが見えて励みになる。
買ってくださる人も、
“顔の見えるもの”を手に入れる楽しさが得られるのではないかなあ。
そうやって三方が互いに悦びをともにして、一緒に歩いていける気がする(希望)。
もちろん個人のつくり手だけでなく、
半オリジナル商品を依頼している工場にだって同じことがあてはまります。
とっても幸せなことにあをぐみは、
小さくても真摯なものづくりをしている工場をいっぱい知っている。
そういうところと、ものだけでないつながりを築いていきたいとマジメに思います。
市場規模は極小だし、初心者ゆえにスムーズにはいかないし、失敗も多い。
あをぐみのものづくりには乗り越えるべき山がゴツゴツと立ちはだかっていますが、
「それだけに登頂の悦びは大きいはず~」とスタッフ一同、
目をキラキラさせながら思うのです。
長~い文章でした。最後に何となく写真で和んでください(笑)。(ÄwÖ)