2011-03-18

親方の仕事に思う(つぶやき)

デザインの仕事で登場する役割分担には、
大きくわけて2種類あると思います。
デザインする人とそれをディレクションする人。
グラフィックなら、グラフィックデザイナーと
アートディレクターといった具合でしょうか。

僕の場合、平面の仕事が多く、
全体の中でグラフィックやエディトリアルデザインに
特化した部分を担当することも多いので
肩書きを「グラフィックデザイナー」にしています。

クライアントや編集者と
何度も密な打ち合わせは重ねますが、
デザインそのものは、
自分ひとりでこつこつ完成させていきます。

性格的にもこのスタイルの方が、
向いているらしく、
ディレクションがメインの仕事になると、
自分でデザインしにくくなる気がして、
敬遠してきたところもありました。

それが、松本に越して
物件の改装工事を間近で見ていることで、
意識が少し変わってきました。
そのきっかけは、大工の親方にあります。

何人もの職人さんを束ねて、
急ピッチで工事を進めていく。
親方は判断も速く、決断力もあります。

当然、自分の手でも仕事をするし、
そのへんに転がっている木材や
工事前の壁をメモ帳代わりに
打ち合わせを進めるなど、
やることがダイナミック。

それを見ていたら、これまで自分が
「こつこつ」ではなく「ちまちま」した仕事しか
していないような気がして、
ちょっとはずかしくなりました。

今後のあをぐみに必要なのは、この親方に見習った
ダイナミックな「アートディレクション」なのではないか……
そんな気がする今日この頃です。(Ä)