2020-12-20

GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ@すみだ北斎美術館

 日本といえば「フジヤマ・ゲイシャ」だった時代はとっくに終わり、今や「アニメ・マンガ」、その後に「スシ」といったところでしょうか……。で、そのマンガの変遷を、江戸時代の浮世絵版画からじっくりたっぷり見られるのが、この展覧会です。


以下、写真はすべて許可を得て撮影しています。

 期間中に2回の展示替えがあり、ここで紹介しているのはもう終わっちゃった前期のもの。今は中期展(〜1月3日)で、5日からは後期展。全部見れば、漫画の博士号がとれるんじゃないかっていうくらいの密度(総数約270点!)です。展示物の文字情報も多いだけに、隈なく見ていたらあっという間に時が過ぎ、脚はガタガタ腰はヒリヒリで疲労困憊セグンド、ふう。そのぶん漫画史をしっかり体感でき、大充実でした。

 改めて思ったのは、漫画はジャーナリズムであり世相の鏡だなあということ。新聞漫画がいい例ですが、単行本や週刊誌のストーリー漫画もやはり、今という時代を反映したメディアですもんね。

 江戸時代の諷刺表現である”戯画”。幕府の改革や動乱をテーマにしたもののなかには、辛辣に幕府批判をしているものもあり、思ったよりは言論が自由だったのかも(あ、でも河鍋暁斎とか投獄されてたか。。)。



 明治・大正時代の諷刺漫画雑誌には、意外な人が意外な画風で作品を寄せていたり。たとえば光線画で有名な小林清親に、キラキラした美しい版画世界とはまた違ったドギツイ皮肉な作品があって、思わず笑っちゃいました。

 北斎の美術館ということで、かの有名な『北斎漫画』も見られますが、この場合の”漫画”は、今でいう漫画とは意味合いがちょっと違い、「北斎が漫然とえがいたもの」という意味なんだそう。
最後にちょっとした雑学でした。(ö)

展覧会情報はこちら

会期:~2021年1月24日
休:月曜(1/11は開場)、12/29~1/1、1/12
観覧料:当日一般¥1,200ほか