早いもので、今年もあと1ヶ月と少しになりました。
一気に年末感が増す昨今に、ぴったりの本をご紹介します。
あをぐみがデザインを担当した絵本『クリスマスのくつした』(のら書店)です。
イギリスの作家エリナー・ファージョンさんの詩を、石津ちひろさんの訳、ほりかわりまこさんの絵で仕立てたこの絵本、過去に手がけてきたデザインの中でも、最上位のかわいい仕上がりです。
かわいいだけじゃなく、「え! そうきます?!」という驚きの仕掛けもちりばめられていて、何度も楽しめる一冊です。
この本をデザインするに当たって、あるキーワードが思い浮かんでいました。
制作チームの誰にも伝えていない、まったく個人的に掲げたそのキーワードとは……“ゴスロリ”です。
最初に受け取ったラフ案から“ゴス”な空気を感じとった僕のあたまのなかには、The Cure の楽曲が響いてきました。
「これは掲示のひとつだ」と思いましたが、誰にも伝えず、その響きから感じる空気をデザインに落とし込んでいったのです。
まるで、“美意識”をだいじにだいじに、ひとつひとつの箱へしまっていくような感覚でした。
たくさんの子どもたちが、クリスマスまでの日々を楽しめるようデザインする一方、ゴスロリのおじいちゃまがお孫さんに、この絵本を読み聞かせているような場面を想像したりして。
心のどこかでゴスロリたちにも楽しんでもらいたいな、とこっそり思っていました。
クリスマスまでの日々、あたたかくして、この絵本をおともにお過ごしいただければさいわいです。
クリスマスがおわっても、また来年のクリスマス近くになったら開いて、そしてその次も。
いつまでも長〜くお楽しみいただけます(ä)。
