あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『もっと知りたい喜多川歌麿』(東京美術刊)が発売中です。
浮世絵と聞いて、真っ先に北斎や広重の風景画を想像される方も多いかもしれませんが、浮世絵にもいくつかジャンルがあり、なかでも「美人画」といえばやはり喜多川歌麿です。
名もなきふつーの女性から、当時のトップアイドルのドヤ顔まで、さまざまな表情を描いた歌麿。
その美人画は当然ポートレートとしても楽しめますが、江戸の女性たちの生活や嗜好を知ることのできる貴重な資料、でもあるのです。
華やかな浮世絵作品をバンバン描くその裏で、たびたびお咎めを受けたり、果ては牢屋に入れられたり。それでも屈することなく、あの手この手を駆使しながら絵師であり続けた歌麿の姿を知ることで、画の見え方も変わるかも。著者である田辺さんの鋭くもあたたかい考察や長年の研究が凝縮した、わかりやすく奥深い一冊。じっくりお読みいただけるとうれしいです。(äwö)