2018-03-05

新版画作品集 なつかしい風景への旅

あをぐみがエディトリアルデザインを担当した『新版画作品集 なつかしい風景への旅』(東京美術刊)が発売になりました。


多くの作家とその作品を大きめのビジュアルで紹介したこの本。作品によっては、部分に寄って撮影した写真も加え、和紙の質感や刷りの凹凸といったディテールまでもが楽しめる工夫もされています。
サブタイトルどおり、まるで本の中へ入り込んでその風景へ旅ができるような、見応えのある一冊となりました。

版画のジャンルとして、「浮世絵」にくらべると「新版画」は聞きなれないかもしれません。

今でこそ人気のある浮世絵版画ですが、実は明治の末に廃れてしまった時期が……。そこで、版元の渡邊庄三郎を中心に作家たちが集まって、浮世絵を「近代的なスタイルで復興させようじゃないか!」ということに。そうやって生まれたのが「新版画」というわけです。
かなりざっくりとした説明なので、もっと知りたい方はぜひ本書に手をのばしてください。

個人的には、なじみの松本城が笠松紫浪の版画で紹介されているのもうれしいところ。あたたかくなってきたことだし、版画の風景を探しに、旅に出るのもよさそうです。(Ä)