あをぐみショールーム内カフェである【Bookish pub】に時折来てくださるお客さま。
日本画などがお好きらしく、カフェの書棚に連なる関連本をぱらぱらめくっては楽しそうにご覧になっていました。
ある日、この『別冊太陽 月岡芳年』を見ながら何やら神妙なご様子。
「メモ用紙をください」とおっしゃるので、お渡ししたら熱心にメモを取っている……。
そして後日、風呂敷に丁寧に包んだ大きな荷物をもって来てくださいました。
「何ですか? それ」
「見てくださいよ、ほら」
って、ハラリと風呂敷を外して見せてくださったのは、芳年が晩年に取り組んだ代表作『月百姿(つきひゃくし)』の100作品が全部綴じられた、豪華浮世絵本!
しかも明治の刊行と書かれているので、まさに芳年が描いていたその時期に発行されたものということ……ってことは作品はすべてオリジナル。
わお!! ものすごいお宝じゃないですか?
聞けば、太陽を見ているうちに「あれ、これ家にある……」と気づいたのだそう。いやあ、まさかね。びっくりです。
『月百姿』は美術館などで数点ずつ見たことはありましたが、さすがに100枚一気に見たのは初めて。
最後の浮世絵師と呼ばれる芳年の晩年の作品を、こんなに色鮮やかな状態で全部見られるとは……何だか魂が震えたひとときでした。いや、まじで。(ÄwÖ)