2015-09-09

架空の本をデザイン?

松本市内にある会社、藤原印刷からおもしろいお誘い企画があったのでご紹介します。

それは、藤原印刷社内でのデザイン・コンペ。
社内コンペなので当然あをぐみは審査対象外ですが、「いい機会なので参加してみませんか」というご提案を受けたわけです。Kくん、声をかけてくれてありがとう!

テーマは「A5サイズの並製本の表紙デザイン」。
用紙と使用インク(4色)が指定されていて、タイトルやデザインは「ご自由に」とのことでした。しかも使用インクは蛍光やイエローパールなど、なかなか特殊な組み合わせ。これはおもしろそう……ぜひ首を突っ込みたい、と、一も二もなくお受けしました。

普段なら書籍の内容をふまえてデザインをし、その表現に一番適切な印刷条件を選びますが、今回は印刷条件が先にあって完成までのルートが逆という特殊事情……。
本の内容は自由とのことなので、安部公房の『砂の女』を選びました。
蛍光インクを活かしてあえてポップな印象でまとめた方が、まだ読んだことのない若者には受け入れやすいかなぁなどと妄想しつつデザイン。

そしてできあがったのがこれです。



砂というのは「直径2から1/16ミリ」と定義されていることを知ったので、白いドットもその範囲内のサイズに。
袖に向かってどんどん白くなることで、くるまれる本そのものが白い砂の塊のように感じられることを意識しています。


刷り見本はあをぐみショールーム【place by awo】に置いてあるので、印刷に興味のある方は実際に手に取ってみてください。(Ä)