2019-06-07

別冊太陽 田中一村 “南の琳派”への軌跡

あをぐみがエディトリアルデザインを担当した『別冊太陽 田中一村 “南の琳派”への軌跡』(別冊太陽 日本のこころ 274/平凡社刊)が発売中です。


田中一村といえば、モリモリした南国的な植物の絵を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?(あるいは鳥と答える方もいるかもしれません)。
ちなみに僕もそのうちの一人です。
植物ということに関して言えば、この本、結果的にここ数年の個人的な実感がうまくのっかった一冊となりました。

というのは、松本に拠点を移したことで、大きく意識が変わったことがいくつかあり、そのうちのひとつが、植物を育てる機会が増えたこと。
引っ越し先に庭があることから、草花にかぎらず樹木の面倒も見るようになりました。
つい先日までは満開の花桃が楽しめましたし、いまはバラが満開。

そんなこともあって「植物をテーマにした本に携わってみたいなあ」と思っていたところだったので、今回の田中一村のお話をいただけたのは、ホント嬉しいかぎり。

ちなみにもうひとつ意識が変わったのは、野鳥の存在に目を向けるようになったことです。
それについては以前「小原古邨」の本についてのブログにも書きました。
加えて、この「田中一村」本にも鳥を描いた作品がいくつか紹介されているので鳥という点でも同様に、最近の個人的心情にのっかった一冊となったわけです。

さて、本に話を戻します。

今回の別冊太陽では、部分アップのトリミングも大胆に取り込むなどして、迫力のある一冊に仕上げました。
というわけで作品自体の見応えもじゅうぶんあるうえ、多くの執筆者が寄稿してくださったことで、田中一村という人物を知るにあたっても貴重な資料本となっています。

一村の人生や彼が愛した奄美大島に思いをはせながら、梅雨のこの時期、のんびり読書していただければさいわいです。
鬱陶しいと思うことも多い雨ですが、植物が嬉しそうなので僕も嬉しい気分になります。(ä)