あをぐみが編集とエディトリアルデザインを担当した『もっと知りたい柳宗悦と民藝運動』(東京美術刊)が発売中です。
松本で暮らしていると「民藝」を身近に感じます。
何気なく街を歩いていても、民藝運動に影響を受けた店やその流れでつくられた家具・器などに出会う機会がとても多いのです。
クラフトフェアが松本に根付いているのも、「民藝」を身近に感じられる風土が少なからず関係あるのかもしれません。
(コロナの影響で2年間もフェアができていませんが、2022年は無事開催されることを楽しみに待ちます)
そんなふうに身近だと、ついつい知った気になってしまうものです。
でもこの本に携わったことで、「実のところ何も知らないに等しかった」と気付かされて、ちょっと反省。
と同時に、改めて自らの暮らしを見つめ直したり、物への愛情を高めるきっかけをもらえて、喜びも感じています。
この本は、民藝とその源流である柳宗悦という人物を知ることができる内容ですが、柳の歩みや民藝運動の解説だけでなく、多様なジャンルの手仕事など、図版も充実。
第2章では、彼に共鳴したり見出された作家たちの紹介もあり、読みごたえのある入門書となりました。
本が完成した後となってしまいましたが、先日、ひさしぶりに日本民藝館へ行ってきました。本書に掲載された品も多々展示されていて、何だか再会を喜ぶような心持ちになりました。
本には品物のサイズを掲載していますが、実物を見るとかなり大きく感じるなど、確認と再発見を楽しみながら、まじまじと拝見。「ほしい!」というものもたくさんありました。
10月26日からは、東京国立近代美術館で「柳宗悦没後60周年記念展 民藝の100年」が開催されます。
本書を片手に、日本民藝館をはじめとするゆかりの施設へ足を運んだり、長く日常を共にできる器や家具などを探しに出かけていただければうれしいです。(äwö)